[ネタバレあり] バレーを始めたきっかけ、下平と羽座川の出会い「荒達哉 / ハリガネサービス 18巻」あらすじと感想

ハリガネサービス 18 (少年チャンピオン・コミックス)

 合同合宿終了

インターハイ予選を勝ち進み、見事決勝まで

進んだ豊瀬高校。

しかし、相手は最強の駿天堂学園。

今のままでは為す術もなく負ける情勢です。

そこで合同合宿を組んだライバル校たちが、

豊瀬を勝たせるために仮想駿天堂チームを

組んでくれます。仮想とはいえ、実質今まで

戦った相手のオールスター。序盤から苦戦を

強いられるところからこの巻はスタートします。

 

豊瀬のメンバーそれぞれが決勝戦の対策のために、

色々なことを試し始めます。

まず下平は、練習試合で対峙した、

駿天堂の羽座川相手にエースを獲るのは不可能と見て、

相手の攻撃枚数を減らすサーブに徹します。

そして金田がまさかのリベロ辞退。リベロを

猫田に任せ、自分はレシーバーとして出場することで、

リベロが実質2人の状況を作って守りを強化。

リベロに強いこだわりを持っていた金田が、

勝利のためにこだわりを捨てます。

次いで松方は、クイックの得意な間白に対しては

テンポダウンを、大船に対しては

逆にアップを指示。

 

これにより攻撃陣のタイミングが上手く調整され、

シンクロ攻撃が可能となりました。

そのまま仮想駿天堂チームから1セット奪取。

その後も回数を重ねてこの合宿は終了します。

合宿後には、医者でみてもらい、1セット限定で

野々原先輩が復活することも決まりました。

 

 

 下平とバレーボールとの出会い

18巻にしてようやく主人公のバレーボールとの

出会いが語られます(笑)

間白家に集まった1年たちは、下平の羽座川に

対する態度に疑問を持ち、下平に何があったの

かと問いただします。

 

ここから下平過去編。

下平はバレーを始める前は、転校して間もなくで

友達がおらず、ようやく出来たと思ったら

いつの間にかパシられていたという、地獄の

方程式のような階段をのぼっていました。

そんな中、下平をいじめる奴らを止める少年が現れます。

その少年と共に逃げる下平は、当然少年に

興味を持ち、逃げ切った後もついていったところ、

そこは体育館で、地域のバレーボールクラブの

練習場でした。

助けてくれた少年は駿天堂の羽座川であり、

バレーもうまく自分も助けてくれた羽座川は、

下平にとってのヒーローでした。

 

羽座川と接することでバレーに興味を持った

下平はそのままクラブ入り。

少しずつバレーが上達していくのでした。

 

しかしそんなある日、ふとしたきっかけによって、

下平は羽座川の衝撃的な実生活を

目の当たりにします。

羽座川はかつての下平同様、同級生に

パシリにされていました。

理由は極度の貧乏であったため。

そして抵抗して大騒ぎになってしまったら、

バレー強豪校への特待生話もなくなってしまうため、

羽座川は我慢をしていました。

 

そんな彼の境遇を知った、聖人君子・下平

「僕も羽座川くんの学校に転校する。

そうすればイジメの対象は僕に向くはず」

という犠牲心の権化のような斬新な答えを提示します。

それもこれも、羽座川がいじめられっ子だった

自分をバレーの世界に連れてきてくれた。

それに対する圧倒的な感謝からくる言葉だったのでした。

勿論本当に実行はしませんが、下平の言葉で、

ずっと平気なふりをしていた羽座川の

抑えていた感情は決壊。2人で泣き合って18巻は終了。

 

 

 まとめ

2人の過去、想像してたよりずっと良かったです!

過去編でなくリアルタイムで登場していた羽座川が、

あまりキャラクターが掴みきれない程度

にしか見せてないので下平の一方的な崇拝的な話になるのかな、

と思っていましたが2人の間にはちゃんとしたドラマがありました。

 

ちゃっかり下平のいじめっ子だったコンビが、

バレーにはまって、同じチームで一緒に

一生懸命応援してる姿も微笑ましかったです。

しかし、こうなると久々に再会した羽座川の

あのそっけない感じは、距離が近づいたと

思われた2人に、その後何かがあったと見て

間違いないでしょう。

ということは19巻でも過去編は続きそうです。

 

2人の過去と、そこが絡んでの決勝での攻防が

より楽しみになりました。

最後にもうひとつ、過去編で下平たちのクラブに、

何故か作者本人が取材のために現れます。

 

そこで作者が帰った後の子供達の会話が、

ある意味作者自虐的で面白かったです。

「あの人のマンガ知ってる?」

 

「知んね」

 

「こりゃすぐ打ち切りだな」

 

打ち切られず18巻以上も続いて良かったですね(笑)

 

中学バレー部ではレギュラーになれなかった下平鉋。都立豊瀬高校ではなんとかレギュラーを目指して頑張ろうとしていると、一緒に入った同級生の3人は元・中学東京選抜であった。青春高校バレーボール巨編!!

 

 

19巻感想へ→

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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