[おすすめ漫画] 今度の特殊能力は共感覚!僕だけがいない街に続く作者新作!「三部けい/夢で見たあの子のために 1巻」あらすじと感想


「僕だけがいない街」で有名な三部けいの最新作が、

大きな間を置かず(といっても半年以上は空いてますが)にスタートしました。

そして今作もミステリー要素、サスペンス要素の濃い作品となっています。

登場人物とあらすじ


中條千里・・・本作の主人公。高校生だが、小さい頃に良心を殺され、兄を攫われており、
今でもその犯人への復讐心を燃やしている。兄とは双子で共感覚の持ち主だった。


琴川恵南・・・千里と同じ施設出身の幼なじみ。幼い頃に父親が殺人を犯し、それによって
母が自殺したため施設に預けられた。施設での経験から千里の復讐を止めようと奔走する。


中條一登・・・千里の双子の兄。痛みの感覚と痛みの瞬間の視覚を共有する。父親の暴力を

度々千里をかばって自分が受けていた。現在安否不明。

あらすじ

5歳のとき両親を殺され、双子の兄も行方不明となってしまった少年・中條千里の復讐劇。犯人を探し出し殺すことだけを考えながら高校生へと成長した千里は、目的を果たすためには金がいると、危険を顧みず汚い仕事にも手を染める。同じ施設出身の幼馴染や、身元を引き受けてくれた祖父母ら周囲のやさしさに触れながらも、暗い過去に心をとらわれ続ける千里。物語は、長年探した犯人の手がかりが見つかったことから動き出す。

共感覚

三部けいの新作、今作も主人公が、姿の分からない犯人を追う物語となっています。

そしてまたしても家族を殺されるという、不幸な境遇に・・。

前作ではリバイバル」という特殊能力を使っていましたが、今作で出てきたのは

共感覚。リバイバルのように固有名詞での技能はないですが、双子の設定でありがちな

「痛みの共有」と、加えて「痛みを受けた時の視覚」も共有するという能力となって

います。

千里はその視覚を利用して、両親が殺された際の視覚から、犯人の特徴(右上に変わった

傷がある)を得ており、最後の共感覚の経験から、弟は殺されたと考えています。

謎は
・犯人は誰か、そして目的は
・兄は事件後、二度目の共感覚まで何をしていたのか。そして本当に死んだのか
・犯人を追ってる途中で遭遇した二人組は何者か
・同級生・板倉はこの件に関与してるのか

といったところでしょうか。

1つ目は、犯人(傷の形から通称・火の男)が誰なのかですが、千里の母親の写真を

持っていた事から、少なくとも千里母の知り合いの可能性が、今のところ高そうです。

殺害目的と、兄は殺さずに連れて行った理由も謎です。

2つ目は、兄の行方です。共感覚が機能しなくなるまでどこで何をしていたのか、

最後の感覚のビジョンだと、屋上にいるところを追い打ちかけられてるように見えます。

なので、誘拐から逃げ出そうとしたが追い詰められて・・の可能性もありますが、この作者に

限って、そんなストレートな映像ではなかったと思います(笑)

3つ目は、主人公VS犯人の2構造ではないことを示唆していると思います。単純に火の男を

探して復讐するだけでなく、他に火の男を追っているものがいるということで、何か組織が

動いているのか、それとも実は警察なのか、まだ情報は少ないです。

個人的には、最初に出る犯人以外の怪しい人物は、警察だったり主人公側の人物ってことが

多い気がするので、そうではないかと思います。

最後に4つ目は、2巻ですぐに分かることだと思いますが、単に不良と共謀して金を

巻き上げた千里への報復なのか、それ以外の何かを知っているか、これも謎です。

感想

「僕だけがいない街」を完走して、1年経たないうちでこのクォリティーは流石だな、

と思います。

あと、主人公が親殺されるのは、この作者のデフォになっていくのでしょうか(笑)

そして親の悪影響なのか分かりませんが、千里の尋常じゃない口の悪さが気になりました。

その分、前作よりも武闘派になっているので、格闘シーンは増えるかもしれません。

最後に、さすがに1巻で登場しないとは思いますが、施設に千里に毎日会いに来てた

若い刑事が怪しすぎました。千里が兄がまだ生きてることを確信してるように伝えた

時の表情。

どっち側の人間なのかは分かりませんが、重要人物に

なってくると思います。

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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