[ネタバレあり] 最後まで折れない田中、最後まで止めない研磨「ハイキュー!! 30巻」あらすじと感想

窮地の田中とその過去

山口の活躍もあり、遂に強豪・稲荷崎相手に

リードする烏野。それぞれの活躍が光る中で、

田中だけが思うようにやれません。当然の

ようにサーブで狙われ、それを西谷に

フォローされ、月島には自分よりも

難しい位置の東峰にトスを上げられ、

ここぞというトスが上がっても、失敗。

観客の中にも、こうなるとメンタル的にも

何をやっても駄目ってなるから

代えたほうが良いんじゃないかと

いう声まで聞こえ始めます。

 

しかしチームメイトは

「大丈夫だ、田中だし」

これはあいつ脳天気だから、という

意味合いではありませんでした。

ここで回想が入り、田中1年の時。

坊主オブザイヤーな田中は、実は

入部の頃は金髪でした。

 

 

部も自分が期待していたような実力も

なければ、真剣さもないように感じる

日々でした。ある日、練習試合の相手校に

ナメた発言をされた時、キレそうになった

田中を諌めた、1個上の澤村・菅原・東峰の、

軽口を叩きながらも全然目が笑ってない姿を

見て、ほかの1個年上なだけの先輩とは違う

と感じた田中は、その翌日から気持ちを

入れ直し、今の坊主にしたのでした。

 

田中は2年で唯一、鳥飼コーチの厳しい

練習にドロップせず、ずっと食らいついて

いった男。そういう姿勢を見てきたから

こそ、仲間は田中は大丈夫、と発言した

のかもしれません。

 

その試合、何度外しても、ミスしても、

味方に声をかけ続け、トスを要求し

続けます。

 

そしてセットポイント。澤村がレシーブ

したボールが影山に渡り、影山がチラッと

田中の方を向く。その刹那、田中の

脳裏には「俺は普通の人間だと思う

体格とか能力とか バレー部の中で

現時点で俺が一番である部分はない。

それが何かを諦める理由はならないし、

言い訳にもならないでも半年に1回

くらい限りなくメンタルが

マイナス寄りになった時に思う

自分は平凡なんだと」

 

「ところで平凡な俺よ 

下を向いている暇は あるのか」

 

田中は再び叫びます。

 

「レェエフトオオオオ!!!!」

 

不敵に笑った影山の挙げたトスは田中へ。

 

27-25

 

田中の強烈なインナークロスが決まり、

烏野がセット先取!

 

 

 音駒VS早流川、師弟対決

一方その頃Cコートでは、音駒の2回戦が

スタート。相手は猫又監督の教え子です。

当然恩師同様に、粘り強い守備が持ち味の

早流川に、音駒はかなり時間をかけた戦いを

強いられます。狙いは攻撃の中核とも

いえる研磨を疲れさせること。

 

ここで今度は研磨の回想。

1年の頃から、厳しい練習嫌いで、

根性とかの精神論が大嫌いだった研磨。

正反対に何でも、気合とかやる気で

解決しようとする猛虎。

研磨にとって、根性は、「精神と体力を

鍛えてきた者が満を持して発動できるもの」

「おれには使えない必殺技」でした。

しかし猛虎に言わせれば、何だかんだ

文句言おうが、誰が見てようが見てまいが、

だいたい最後までやるのが研磨。

セットカウント1-0で、迎えた

第2セットは28-28と、もつれに

もつれた最終局面、最後に試合を

決めたのは、必殺技を使えないはずの

研磨の、全てを絞り出したような

セットアップでした。

 

セットカウント2-0。

 

音駒は3回戦に進出を決めました。

 

黒尾は心の中で投げかけます。

「おい烏野 来たぞ 俺達は来たぞ」

再び烏野VS稲荷崎に戻り、2セット目は

カウント15-7とダブルスコア状態。

宮に西谷が集中攻撃を受ける展開で、終了。

 

 

 感想

ようやく田中が日の目を見ました(涙)。

彼の、浅そうで深いムードメーカーと

しての根源が少し見えたような気が

します。平凡である自分にメンタルで

負けそうになっても、凹んでる自分と

押せ押せの自分、どっちが

カッコイイかで、瞬時に押せ押せの

自分を選んで、落ちたあとは上がる

だけ、と笑い飛ばす田中に、月島すら

脱帽するシーンはグッときました。

西谷と日向も、相当プラス寄りの

存在ですが、田中はその中でもまた

特別な存在だと感じました。

 

次に研磨の掘り下げがここで来たのは

面白いですね。ほかのメンバーの活躍

場面も最小に絞ってる辺り(リエーフとか

ほぼ空気状態)、ゴミ捨て場決戦への

布石なのだと思います。

 

田中が再生し、これまでチームの

ウィークポイントとならなかった西谷が、

初めて狙われる展開で、 どう克服するのか、

これが次巻の最大の見所になりそうです。

西谷の回想も入りそうですが、なんとか

31巻で稲荷崎戦は完結するのではと予想します。

 

おれは飛べる!! バレーボールに魅せられ、中学最初で最後の公式戦に臨んだ日向翔陽。だが、「コート上の王様」と異名を取る天才選手・影山に惨敗してしまう。リベンジを誓い烏野高校バレー部の門を叩く日向だが!?

 

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りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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