[ネタバレあり] 最悪の結末。そして特質系能力者・家久「センゴク権兵衛 10巻」あらすじと感想

 次々と・・

長宗我部親子の活躍もあり、なんとか

踏みとどまっていた豊臣軍でしたが、

 

島津家久が覚醒。

 

というか念能力に目覚めます。

 

突然、視界に戦の全体図を捉え、

 

「将は何処」

 

と唱えると、豊臣軍の主だった

武将全員の位置を把握します。

 

 

!?

 

「そこか」じゃないですよ。

凄いサッカー選手は、俯瞰でピッチが

見えるとかそういうのもあるし、

勿論この場面もそのままではなく、

その一帯を取り巻く空気感とかから、

敵将がいることを、野生の勘も交えて

察知してるものだと思いますが、

急にこの表現法は驚きました。

 

唐突な超能力バトルに、当然

権兵衛たちはついていけるはずもなく、

見事なまでのピンポイント撃破で、

次々と味方が倒れていきます。

多分この人と同じタイプの発を

使ったんでしょう。

 

 

その事態に、権兵衛は大混乱。

元親が自ら「撤退せよ」と告げに

来ても迷っている状態で、結局

元親の命で撤退が決まります。

 

そして奮戦むなしく

「権兵衛オトコ」と呼び続けた

十河存保も討死

その遺体は悲惨すぎる末路に・・。

 

次に狙われたのは信親。土佐勢が

狙われてると聞き、田宮某くんは

撤退を無視して信親を救けに

向かいます。

無事合流するも、田宮は落馬。

薄れ行く意識の中で、士官して

からの1年を振り返り、かずらを

思い出し討死。

 

権兵衛編序盤で、主役級の動きを

していた田宮は、ここであっけなく

散ってしまいました。

信親も、長宗我部兵と共に、最後の

最後まで一歩も引かずに戦い続けるも、

力尽き討死。

 

権兵衛の勇み足は、最悪な結末

迎えようとしていました。

 

 

三国一の臆病者

撤退か十河の援護で迷い、撤退か

田宮の救援で迷い、とにかく混乱し

続けた権兵衛は、家来の「混乱している

軍を整えましょう」との提案も無視して。

とにかく逃げることを命令。大名に

あるまじき判断をしながら、途中本能を

発揮して、元親と共に家久本陣挟撃した

かと思ったらすぐ逃走。

家久を呆れさせる醜態を晒しながら、

権兵衛達は何とか逃げ延びます。

自身の大失態を振り返りながら権兵衛は、

 

「奴らの死と引き換えにしてまで

生き残る値打もあるんか ワシャあ」

「ワシャあ ちっとも成長しとらん・・」

 

金崎の撤退戦や、小谷城の虎口、

そして女の取り合いと、何度もギリギリの

場面を切り抜けてきた権兵衛ですが、

今回ばかりは失ったものが多く、消沈

してしまいました。

 

 

まとめ

正直、ちょっと残念な10巻でした。

これまで、毛利元就や武田四天王など、

実力者はとても上手く描かれていたの

ですが、家久をあそこまで、超能力者の

ようにしたのはどうなのでしょうか(笑)

そしてそこまでにするなら、権兵衛を

もっと情けなく描いてほしかったです。

得体の知れない神業を駆使する家久に

対して、あからさまに怯えて逃げ惑うくらい

やらないと、この戦での権兵衛の大失態は、

リアル感がないように感じました。

 

それでも、こうやって画にされると、

歴史ファンで仙石アンチな人が多いと

いうのもうなずける事態だったことに

納得せざるを得ません(笑)

 

ただ、某くんと信親の描写はとても

良かったです。第一印象最悪だった

信親に対して、最後は命を賭けて

助けに行く生き様。そして信親も、

途中の部下との口喧嘩が凄く良くて、

口語に直すと

 

信親「俺は逃げないぞ!!」

家来「いいから黙って早く逃げろよ!」

信親「!!」

 

家来「俺はずっとあんたを羨んできたし、

寝首かこうとも思ってた」

「いや、寝首かかなくても、

戦になったら逃げると思ってた」

「でもあんたは立派な大将だった!

心の底から生き延びて欲しいと思った!」

「だから逃げてください!!」

 

っていうやり取り。

ここが信親のラストの、3割死んだら

軍として壊滅するのが普通なのに、

7割もの兵が最期まで信親に従ったと

いうところにつながるのが良かったです。

 

いずれにせよ、表題ともいえる

「最も失敗し、挽回した男」

「最も失敗」が終了しました。

個人的に明智の本能寺への流れも

凄く好きだったので、これからどう

挽回していくのか、ここからが本番だと

思うので、凄く楽しみです。

 

時は戦国時代。美濃(みの)・斉藤家の家臣、仙石権兵衛秀久(せんごくごんべえひでひさ)=センゴクは、落城寸前の稲葉山城にいた。敵は覇王・織田上総介信長(おだかずさのすけのぶなが)!! 強大な敵に茫然自失となるが、幼なじみ・侍女のお蝶とのある約束を守るために、織田軍団に囲まれた城から決死の脱出を試みるセンゴク。果たして生き残れることはできるのか!?

 

←9巻感想へ 11巻感想へ→

 

おすすめ歴史漫画一覧

コメント

ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

りかるどをフォローする