[ネタバレあり]更に広がる世界観、いま最も期待の正統派ファンタジー「泉光 / 図書館の大魔術師 2巻」感想

 

 

 より鮮明になった世界観

 

100点満点の導入パートだった、1巻から今回どう展開されていくか

と思いましたが、見事な広げ方でした。

 

主人公シオは、司書の試験の会場のある地を目指す道中。

そこで本にまつわる、住民たちとのエピソードを乗り越えていく。

そしていよいよ試験へ。という流れでした。

 

その中で、ただ独立した住民エピソードをこなすのではなく、

この作品の世界観も、一緒に深掘りしていくので、

この世界へのどんどん理解も深まりました。

 

図書館と本屋の関係、この世界での、新刊の在り方など、

本に直接関わるものから、この世界の歴史についても言及されました。

 

しかし、大抵この手のファンタジーでは、大きな大戦や出来事は、数百年数千年前

の出来事として描かれますが、この作品ではわずか95年前

エルフ族とかであればつい最近の出来事ですよね。これが意味するものが

大変気になりますし、シオの親族関係が直接関わってそうな気もします。

 

 

 シオの成長

 

本編に戻ると、1巻では弱虫で何も出来なかったシオが、2巻の序盤からめちゃめちゃ強く

なっていて、最初は、ん?となりますが、しっかりこの巻のうちにその理由を

拾っていました。

精神的に強くなった理由も、その中で語られていましたが、シオの成長に

大きく関わってる、親方とのエピソードは、どれも、刺さるものばかりでした。

 

無駄に飾ることもせず、ハッキリとシオには言うけど、

常に彼のことを考えて動いたり、発言したりしてくれてて、良い関係なのが

よくわかります。

ここも、1巻で何度も言及されていた、「物語の主役は自分」というテーマに

かかっていて、おそらく今後も、シオが挫けそうな時には何度も出てくる

フレーズなのかもしれません。

ただただチートに強くなっているのではなく、時々心が折れかける弱さも

ちゃんとあるから、読む側も気持ちが離れることなく見れるというものです。

 

 

 次巻以降の展開は?

ほかの司書受験生も、この巻で多く登場しますが、シオとまだ接触もないような

人物も含め、今後も登場しそうな描かれ方をされているので、

そんな人達とのエピソードは楽しみです。二次試験辺りから絡んでくるでしょうか。

中には獣人族などもいるようなので、それぞれの種族の、この世界での立ち位置

なんかも拾っていきそうです。

 

それから、新しく着く、街や図書館の描写は相変わらず凝っていて、

新しい場所へのワクワク感を煽ってきます。

こういう描写の部分も毎回期待しているので、3巻でもよく見ていきたいですね。

 

そして本筋、シオの試験結果はどうなるのか、次巻で最終試験?までいくかは

分かりませんが、1巻と2巻の終わり方を見ても、次への期待の膨らむ

終わり方をしているので、とても楽しみです。

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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