[ネタバレあり] 予選編完結!そして壮絶な人生を送った2人に救いが・・「ハリガネサービス 24巻」感想

 

 白羽座川

前の巻の最後、真っ白に燃え尽きてどうやら記憶を取り戻した羽座川。

逆に、事故以降の記憶がなくなり、

何故この場にいるかわからない状態。しかし

 

 

すごい対応力

 

突然記憶が戻り、下平しか知ってる人間のいない世界に投げ出されても、

バレーだってわかればすぐに入り込める。

何気に羽座川がどれだけバレーが好きかが表現されてる

場面でもあると思います。

 

スローモーションの世界時代のような幅広いエリアカバーは

出来なくなっていますが、

逆に連携力が上がり、コート内にモチベータータイプがいなかった

駿天堂にとってはプラス。一気に雰囲気が変わります。

 

それでも覚醒下平の観察眼は止められずに、豊瀬が第4セットを制し、

ついに2-2でファイナルセットへ。

 

 

  独裁体制の終焉

前巻でも予想していたことですが、やはり

羽座川は、駿天堂監督に反発。

 

経緯や部の伝統を覚えていない羽座川ならではの

真っ当な意見です。

これで監督は処分することなく黙認。

それによって、メンバーの要望で、懲罰後退していた梧塔も復帰。

更には梧塔の要望で鴛渕も復帰。

ここに来て、再びフルメンバーが揃いました。

 

ずっと救いのない暗黒街道まっしぐらだった鴛渕も、

密かにずっと彼の努力を見続けていた梧塔のおかげで、

少し救われることが出来ました。

 

 

梧塔が見せてくれた、暗黒鴛淵の救済の答えは「鴛淵を肯定する」

ようやくそこに気付き、後悔と理解を得た、山縣監督の涙が印象的な

シーンでした。

 

 

 決着の時

 

ファイナルセットに入ってから、信じられないような動きを

見せて、豊瀬を圧倒する羽座川でしたが、

それは記憶が戻った反動による、肉体の過剰燃焼。

そして燃焼は彼の体を蝕んでいるという状態。

 

記憶が戻った瞬間、バレーにすんなり入り込んだだけじゃなく、

自分の体の異変にすぐ気づき、

自分の死を悟り、すぐさま受け入れた羽座川が悲しすぎました。

 

 

これにいち早く気付いたのは、やはり下平。

早く試合を終わらせて羽座川を救いたい下平と、

バレーをしながら死にたい羽座川の戦い。

 

最後は復活ハリガネを、下平が決めてゲームセット。

豊瀬が優勝。

 

終了直後に羽座川は意識を失いますが、

一命を取り留めることが出来ました。

 

 

 感想

 

熱い戦いの中で、鴛淵も、羽座川も救われたのは良かったです。

鴛淵に関しては、まだ山縣監督との確執が残っているので、また別のタイミングで

その後は描いてくれればと思います。

悪の親玉みたいに描かれていた雲類鷲も、普通の良いやつになりましたし、

鴛淵も印象変わったら嬉しいです。

 

そしてなんといっても羽座川。

 

バレーしてる時以外、地獄のような少年時代

事故で記憶喪失、スローモーションの世界に

記憶が戻ったのに肉体が暴走で生命の危機 NEW!

 

という、永遠に不幸ループが抜け出せないんじゃないかと思われた

羽座川がようやくループから脱出したという事実が、

今回一番大きかったです。

なにより、最終話のあとの、ばあちゃんとの再会シーンは、

幼少期のばあちゃんの印象から考えても、羽座川の顔を見た

最初の表情は、とても感動的でした。

 

ちゃんと羽座川の物語が綺麗に完結したので、

今後は豊瀬の主力の下平が主人公の話で

全国編はスタートしていくでしょう。今回の戦いで

全員出し尽くしたし、エピローグを見てもまだ久場が復帰

出来るかは不透明。

次は、合宿などでもう一度個々の実力を底上げしてからの

スタートになっていく感じでしょうか。

 

オマケ

部活漫画恒例の、突破しなきゃ全国出られない、の

テストの様子が出ますが

 

 

先生のクセがすごい

 

中学バレー部ではレギュラーになれなかった下平鉋。都立豊瀬高校ではなんとかレギュラーを目指して頑張ろうとしていると、一緒に入った同級生の3人は元・中学東京選抜であった。青春高校バレーボール巨編!!

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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