[ネタバレあり] 不自然な言動から、新たな説が浮上か「テセウスの船 6巻」あらすじと感想

 木村"みきお"

今回冒頭では、パラレル化した現在にいたる、

佐野家のいきさつが、鈴の口から語られます。

母が練炭で一家心中を試みたところ、心は鈴に

助けられ生還するも、母と兄はそのまま死亡。

今回だけを読むと、母はすぐに諦めてしまった

ように見えますが、前の巻で気丈に振る舞って

いた母が、最後には疲れ切って変わってしまった。

あの流れからそのまま心中になってしまったと

考えると辛いものですね。

 

そんな死んだ2人の墓参りを済ませて父の

ところに向かった鈴と心は、

前の巻でチラッと出ていた、佐々木紀子の証言の

件を父から聞かされます。

 

彼女は元の歴史通り、青酸カリを盗んでいた

ようですが、本来ならそのまま自殺のはず、

が今回の現代では生存しています。

しかも、今頃になって証言を申し出るという展開。

 

その帰り、心が初めて謎の車椅子男と対面。

 

男の名前は「木村みきお

みきおの部屋で、鈴たちの映った小学校時代の

写真を見つけ、彼の口から、なんと彼は

青酸カリ事件の被害者だったことが判明。

更に、一緒にいた母はその時の先生。

 

鈴たちの居場所を探すときにヒントをくれた

少年、「加藤みきお」がこの「木村みきお」でした。

 

しかし、鈴とみきおが付き合ったのが偶然ではなく、

鈴が、懸命にリハビリをする姿を見て、彼への同情心で、

どうやら付き合ったような事を抜かしてます。

 

 

心、久々の正論。

 

ただでさえ犯人に全く近づけてないのに、勝手に

危ない火種を増やしてた姉・鈴・・・。

 

 

 負のスパイラル

正論をぶつけた後、新証拠を掴んでなんとしても

父の無実を証明したい心は、記者としての由紀に連絡。

 

ここで、今回は珍しく卒なくこなしてた心が、

 

 

大チョンボ!木村に聞かれてた!

 

木村にボイスレコーディングされてしまったことで、

 

元々彼女を良く思っていなかった様子の彼女に

鈴は脅され、佐々木家に乗り込むことに。

 

相変わらず詰めの甘さは変わってないです。

 

この間に、犯人のレコーディングパート入りますが、

前巻予告にもあった意味深シーン。

 

 

イメージなのか実際にあるのかわかりませんが、

なかなかの悪趣味。21人の目と、別で死んだ3人で

合計48個のはずですが、

49か50個の目玉があるようです。

(瓶の横にあるのが3つなのか2つなのか微妙)

1,2個多いのは何か意味があるのでしょうか。

 

心も佐々木と直接連絡を取り、会う約束を取り付けますが、

どうやら先に会ったのは木村と鈴。

 

ここで佐々木の回想とともに、彼女が

青酸カリ事件前から事件が起こることを知っていた

ことが分かり、長谷川の持っていた写真を

隠滅したときではなく、最初の千夏の事件の

直後から、長谷川に動きがあったことが判明しました。

 

 

 まとめ

 

佐野の血筋は、みんな余計なことをして混乱を呼ぶ

のでしょうか。

心と鈴の見事な連携で、また悪い方向に話がいきそうです。

 

次回の予告を見る限りで予想されるのは、

佐々木を殺すことを、木村が鈴に煽り、実際に殺害。

心が佐々木の家に着いた頃にはもう時すでに遅し。

鈴は更に脅しの負の連鎖にハマる。

 

という最悪の展開ですが、なんとかどこかで突破して

犯人に近づいてほしいところです。

 

それから今回、みきおの口から作中のセリフの中で

初めて「テセウスの船」というワードが出てきますが、

 

 

彼の一連の発言から推察して、

2つの新たな説が考えられる気がします。

 

①みきおが犯人

②みきおも心みたいにループしてる

 

①も②も、基本的には彼が鈴に思いを寄せていて、

それ故の犯行、あるいはループなのかなと感じました。

 

この発言が出たのが、木村からの、おそらく

鈴の正体を知らせたメールを見た直後でありながら、

ショックや怒りを覚えるよりも落胆してる様子から、

ある程度鈴の事情を知っているから、という気がします。

ただ、彼が2説の通りかは、やや不自然な流れでの

タイトル回収をさせた点からミスリードの可能性も

十分あるので、まだはっきりしません。

 

次巻は、佐々木の知る真実と、鈴相手にマウントを取る

木村無双が中心になりそうですが、

そろそろ犯人が少しは慌てるところまでいってほしいと

願います。

 

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童16人を含む21人が青酸カリで毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。

 

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りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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