[ネタバレあり] 真犯人判明!?しかし音臼村の事件はまだ終わらない「テセウスの船 8巻」あらすじと感想

 あらすじ

前巻の最後、現代の音臼村で

心が対峙した男。

それは

木村みきおでした。

加藤みきお(当時)です。

 

彼は自ら、あのおぞましい画を

心に送りつけていたことを自白。

それから母の木村も殺害したこともを

暗に告白。

 

彼は心にタイムスリップの仕方を

しつこく聞いてきます。

そして心の未来ネタバレノートを

見ていたことも自白。

 

答えない心に痺れを切らした

加藤はナイフで襲いかかります。

脇腹を刺されますが、何故か

丸腰で来た心も、さすがに無抵抗で

いることはせず、パイプ椅子で応戦。

心は加藤に警察に通報したと告げますが、

そんな話を警察が真に受けるはずがない

と信じません。

しかし心が通報したのは、

自分が犯人だという殺害予告として。

 

本当に現れた警察を見て加藤は逃亡。

追いかけようとしますが、再び霧が

立ち込め、前巻の予告通り

舞台は再び事件前の音臼村へ。

 

心が戻ったのはどうやら

出戻った時の2017年のように

改変された別の世界ではなく、

自分が姿をくらました後の

地続きの過去の模様。

戻ったのは6月20日。

毒物混入事件の4日前です。

 

再び佐野と合流した心は

未来で起こったこと、

起きていたことを洗いざらい

話し、2人は事件の真相を

追います。

 

2人はまず木村さつきの

自宅を訪れ、雑談もそこそこに

こっそり家宅捜索。

 

証拠を掴もうと、色々質問も

しますが、彼女からは

証拠も何も出てきません。

心も、眼の前にいる木村の

未来の木村の変わり果てように

犯人なのを微塵も感じさせない姿に

動揺します。

 

次にもう一度、これまでの事件の

洗い出し。明音を殺した人物は

どうやったのか。そして現場に

残っていた「S」のキーホルダーに

意味はあるのか。

 

この話は進展なく、次に

加藤の自宅へ。

しかし加藤は引っ越した後で

彼の足跡を追っていくと

加藤信也と名乗る人物に

引き取られた模様。

 

心たちが手をこまねいている

間にその加藤は、田中爺の自宅を

訪れます。やはり2巻で爺さんに

話しかけていたのは加藤でした。

 

加藤は自身がウサギを実験台として

毒殺したこと、明音を殺したことも

爺さんに告げます。

そしてそのまま見逃されるはずもなく

爺さんは、加藤と一緒に訪れた

おそらく加藤信也?らしき男に

自宅ごと燃やされます。

 

そして息つく暇もなく、加藤は

佐野家へ。

彼が爺さんに最期に語った

「殺らなきゃいけない人がいる」

という言葉と共に。

 

 

 考察・感想

 

やはり何のミスリードもなく、

加藤みきおが犯人だったようです。

しかし気になる点がいくつか。

 

彼自身は、心の追求に対して

一言も返事をしていません。

前述した画や、ノートを見たこと

爺さんへの自白で明音を殺したこと

これらは事実ですが、他に

真犯人がいるかもしれません。

そして彼を引き取った加藤信也、

高い確率で、未来の加藤でしょう。

話口調も同じですし、目撃情報とも

一致すると思います。

その予想が正しければ

彼も心同様に過去に来たことで

話はまたややこしい方向に

変わっていきそうです。

 

それから今回は加藤の人物像

について迫っています。

 

彼の境遇こそ、この猟奇殺人者が

作られた背景となるでしょう。

気になるのは、「母は死んだ」

「父はいない」という木村の

証言。二人共死んだのではなく、

父はいない。幼い時に起きた何か、

今後言及されていくと思います。

 

それから加藤の目的。

彼はタイムスリップをしたがって

いました。つまり後悔している

ことがある。

個人的には鈴に関係している気が

します。

これまでを追ってきてる限り

加藤は鈴へ並々ならぬ愛情を抱いて

いるようです。

彼は6巻で

 

「欲しいものを手に入れて、

手に入れたけど実際によく見たら

それがちょっと違った」

「変わらないものが欲しかった」

 

と発言しています。

これは鈴のことでしょう。

 

これが整形手術をしたという

物理的なものなのか、

手に入れたけど、それは

あくまで鈴がリハビリをする

加藤に同情した、愛情のない

ものだったことに対してなのか、

 

現状まだ分かりませんが、

どちらかではあると思います。

特に後者。

 

そしてこれは微妙ですが、

彼は二重人格なのかもしれないです。

心と対峙した時「殺セ・・」という

心の声?に「うるさい」と返事をして

います。それから金丸殺害の時の

事件解決を煽っておきながら

結局突き落とすという

支離滅裂な行動、だから心の

問に全て答えなかった可能性は

あります。

 

それから感想ですが、

ようやく心が有能な働きを!

やることなすことも裏目に出る

ことで有名な心のセルフ通報、

感慨深いです。

 

あと犯人が誰なのかに一直線気味

と思われたストーリーが展開を

変えてきて、俄然面白くなってきました。

考察をするのも一時期より楽しくなってます。

 

それからドラマ化が決まったようで、

1巻から読んで感想書き続けてる身

としてはこれもとても嬉しいです。

その記事で、今月中に本誌で完結すること

を知ってしまったのは悲しい話ですが、

あくまで単行本だけ読んでいく姿勢は

崩さずに楽しみにしています。

 

 

 今後の展開

8巻の最後に、加藤が

佐野ママに接触しようとしました。

これは自分を邪魔をする心を、

生まれる前に殺しておくという意味

だと思いました。

予告を読む限り、その目論見は

失敗してそうですが、今度は再び

長谷川の犯行とその前後の行動に

着目していく展開のようです。

 

しかし犯人は加藤、という線で

進んでいる話で、わざわざそこを

深掘りするのは、やはり他にまだ

出ていない真実があるように

思います。

そのため、9巻では加藤以外の

別の人間が犯人の1人として

浮かび上がる展開になるかと思います。

 

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童16人を含む21人が青酸カリで毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。

 

←7巻感想へ 9巻感想へ→

 

テセウスの船感想一覧

おすすめサスペンス漫画一覧

コメント

ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

りかるどをフォローする