[ネタバレあり] 慶常の仇討ち!「ALL OUT オールアウト 15巻」あらすじと感想

あらすじ

良きライバル、慶常がまさかの敗退。

鎌倉学院の前に散ります。

いつも暑苦しい平も泣き崩れ、

大会での再戦は叶わず。

帰りに祇園は石清水と御幸に会い、

そのあと2人と因縁のありそうな

鎌倉の選手と対面。

NDK並のあからさまな煽りを

入れてくる鎌倉選手に対し

御幸は大人の対応。

ヒートアップした石清水と

祇園は、鎌倉を倒す決意を

固めます。

神高も次戦に向けて慶常に

練習パートーナーを頼み、

鎌倉対策を進めます。

 

そしてここで回想。

もともと、因縁をつけてきた

鎌倉の選手、奥は中学の頃

御幸に誘われてラグビーを

始めていました。そして

2人で慶常へ行きたいという

密かな強い思いを胸に、ラグビー

の腕を上げていったところ、

最終的に御幸だけが慶常の

推薦をもらい、自身は荒々しい

プレースタイルを買われ、鎌倉へ。

そして彼の御幸と慶常への憧れや

尊敬は、憎しみへと

変わっていったのでした。

 

試合の当日になり、会場には

慶常のメンバーも応援にかけつけ

大原野や祇園たち、多くのメンバー

の家族が駆けつけました。

 

そんな中、試合が開始すると

いきなり先制を許し、石清水が

焦りからミスを繰り返す、

嫌な立ち上がりになり終了。

 

 

感想

鎌倉の奥の負の感情が際立つ回

でした。

御幸に誘われラグビーを始め、

慶常へも2人で行こうと誘われ、

自分とは対照的な御幸への憧れ

を超えた独占欲みたいな感情が

生まれたことで、石清水にも

憎しみを向けるようになり、

そして御幸だけが慶常に行く

ことになり、自分の全てが

否定されたかのような気持ち

になり決壊。

さすがここは今から倫理です

を描いているだけあって、

リアルで生々しい。

みんながみんな、競技に

対してまっすぐなわけ

なんてなくて、○○に

認めてもらいたい、

○○の1番でいたい、

奥のような感情が最初に

来る人も当たり前にいるし

そういう見る人によっては

気持ち悪いと感じるキャラを

ちゃんと、ただの悪役として

ではなく登場させるのが

この作品の良さだと思います。

 

純粋悪もいると思いますが、

彼のように色々こじらせた人間

もいるというのが雨瀬先生の

世界ですね。相手校だけじゃなく

チームメイトでも松尾みたいな

リアルな悩みを抱えているキャラは

嫌いじゃありません。

 

神高側に話を移すと、やっぱり

石清水にとって祇園の存在は

大きいですね。御幸は聖人君子

だけど、まぶしすぎる時がある分、

祇園は人間臭いので、石清水に

とっては、彼の方が心を動かされ

やすそうに感じます。

今回遂に祇園スタメンなので、

2人の活躍が楽しみです。

 

そして敗れたかつてのライバルが

練習に付き合ってくれるのは、

黄金パターンではありますが、

神高と慶常はその中でも特別

いい関係性があって良いなと

感じました。

作品によっては、取ってつけた

感が出てしまう流れなのですが

この2校はちゃんと積み上げて

きてるので、納得感が違います。

協力しながらも、もう1回戦いたかった

と本音を隠さないのも両校のいい

関係が構築されていて、なおかつ

それを作中でも見せてきた

からこそだと思いました。

 

次巻では、奥との因縁も絡めつつ

主人公がようやく目立つ展開を

期待します。

 

背が小さいことを気にしている祇園健次(ぎおんけんじ)は神奈川高校(ジンコー)の入学式当日、長身の石清水(いわしみず)と、ひとつの球技に出会う。その球技とは――ラグビー。凸凹コンビが紡ぐ青春楕円物語、ここに開幕!! 男たちの熱いドラマを描く名手・かわぐちかいじも賞賛の本格高校ラグビー漫画!!

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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