ブラックジャック創作秘話(完結作品)
サブタイトルは〜手塚治虫の仕事場から〜
で、そのタイトル通り、漫画の神様
手塚治虫先生の執筆の逸話・エピソード
を当時の関係者及び漫画家にインタビュー
を取る形で再現した作品です。
チャンピオンでの連載だったためか、
タイトルはブラックジャックに
限定されていますが、実際は
各年代の手塚治虫の秘話が満遍なく
入っています。手塚治虫の関係者
だけあってインタビューに登場する
人物は超大物ばかりで、世代関係なく、
あるいは当時の漫画が好きな人には
本当にたまらない作品です。
ハッキリ言って今とは全く違う
当時の漫画、アニメの現場を知る
ことが出来ます。
私も、この作品を読んで漫画家の
人となりに興味を持つようになり
ました。
草彅剛主演でドラマ化もされて
ますし、２０１２年には
このマンガがすごい！の１位
を獲得しています。
ルーザーズ(完結作品)
「漫画アクション」の創刊と
それ以降を支えた、出世街道から
脱落した男たちの物語です。
前出のブラックジャック創作秘話の
吉本先生の次回作ですが、今回は
漫画家ではなく編集者に焦点を当てて
います。
漫画アクション創刊の表紙を飾った
ルパン三世の誕生秘話、遡って
モンキー・パンチ先生の発掘など
黎明期を支えた大物たちの新人時代
の話はもちろん、その後を支えた先生
たちと編集者たちの熱量が伝わってきます。
マンガに、編集って必要ですか？
ベテランの域に入ってもイマイチ
パットしない漫画家・佐木小次郎の
新人編集や、周りの人との交流を
描く、リアルマンガ家の日常です。
これまで紹介した漫画家主人公の
作品と大きく異なって、主人公は
４５歳！そして彼らのように
大ヒット作も生んでいません。
ですが、普通はそれが当たり前。
いわば大多数の漫画家のリアルを
描いているというところ、それが
この作品の魅力です。
編集者とのやり取りも、他の漫画家
やアシスタントをする現代的思考の
漫画家くんとの会話など、夢がなさ
そうに見えて、漫画家とは何か、
編集者は漫画家にとって何か、
仕事とは・・パートナーとは・・
簡単にポンポン売れない生々しい
話なので余計、そういう部分を
考えさせられます。
ドラえもん物語~藤子・F・不二雄先生の背中~
途中から藤子プロに入り、間近で
作者が見てきた藤子・F・不二雄先生
の実際のお話を漫画にした作品です。
前述のブラック創作秘話が手塚治虫物語
であるなら、こちらは藤子・F・不二雄
物語です。後にドラベース等の連載を
していったむぎわら先生が、アシスタント
時代に見てきた藤子プロの現場が描かれて
いて、身近にいた本人がそのまま漫画に
しているので、かなり具体的なエピソードが
多数。
そして何より、むぎわら先生が、
ドラえもんの大ファンというところから
漫画家人生がスタートしていることが、
同じドラファンだからこそ理解できる
描き方なのが良いです。
私も日本に来る前から唯一知ってた
漫画がドラえもんで、大長編含め全巻
持ってるほど大ファンなので、ここで
語られるエピソードはどれも興味深く、
特に自分の中で一点、謎があった
ねじ巻きシティー冒険記のことが、
この作品に載っていたことでスッキリ
することも出来ました。
大ファンでなくとも
ちょっとでもドラえもんに興味が
ある人なら読んでみて損はない作品です。
まとめ
同じ漫画テーマ作品でも、
ちょっと前のもの、
現在進行系のもの、
昭和時代のレジェンドの
もの。同じ視点で見ることは
出来ないものばかりです。
ですが、紹介した作品自体も含め、
どういう想いで漫画家、編集
その他の関係者が漫画に関わり
携わっているかは、伝わるもの
のはずです。
つまらないとか、展開に納得
いかないとか、読者は簡単に
切り捨てることは出来ますが、
そこには色んな考えや想いが
乗っかっているということを
考えると、少しだけ見方は
変わるんじゃないかと思います。
この漫画作品を読んで、より
漫画が好きになるという力が
今回紹介した作品たちには
あると思うので、興味出たら
是非読んでみてください。
了
コメント