[おすすめ漫画] 漫画も登場人物も常識を覆すサクセスストーリー「猪ノ谷言葉 / ランウェイで笑って 1巻」作品紹介と感想

作品・作者に関して

ランウェイで笑っては、週刊少年マガジンで

連載の作品です。

猪ノ谷言葉先生は、マガジン主催の

第95回新人漫画賞を受賞されて、この

ランウェイで笑ってが初の連載作品です。

 

その前はpixivでの投稿もされていたようで、

アイマスやRe:ゼロ等の非常に高い画力の

画などが投稿されています。

 

猪ノ谷 言葉 pixiv

 

マンガ対象2018では6位にランクインし、

2020年1月からはアニメ化も決まっています。

 

異例の組み合わせでヒット

 

まずこの作品、所謂お仕事系に分類

される作品です。

これだけでもかなり異例なのですが、更に

その中でも、モデル業界、

ファッション業界を舞台に

しています。

で、こういう業界をやること自体はそこまで

異例ではないですが、これが少年誌である

マガジンで連載されていて、それがヒット

したということが異例なのです。

 

みなさんは週刊少年マガジンの掲載作品は

どういうイメージですか?

昔であれば特攻の拓や湘南純愛組のような

不良もの、ベイビーステップやあひるの空、

シュート!などのスポーツものが代名詞だった

と思います。

現代はどうかというと、

 

マガジン公式より

 

不良もの自体は昔より減ったものの、スポーツは

相変わらずで、ファンタジーものが強くなってる

感じです。

いずれにしても、現在であってもこの作品は、

マガジンの中で異質の存在です。

 

異質ということは、読者層にハマらないと

いうことになります。マガジン読者は

基本的にファンタジーやスポーツあるいは

ラブコメを期待して読みます。

 

では何故ランウェイで笑ってがヒットしたか

とてもシンプルです。

異端であることを飛び越えて、

面白いからです。

 

確かに中にはスポーツ漫画のような

熱量や友情は登場してきますが、あくまで

舞台はファッション。他の業界と比べても

この雑誌のメインである少年青年が立ち寄り

がたそうな世界。

 

でもだからこそ、こんなアウェーの地でも

輝いている、アニメ化を勝ち取っているの

だから、本物だということです。

ではどう面白いのか、次の章で確認して

いきたいと思います。

 

育人と千雪の関係性

 

まず大事な要素、登場人物ですが、

最も重要なのは2人。

 

藤戸千雪

 

都村育人です。

 

2人は高校3年生で同じクラスです。

 

千雪は小さい時からモデル業をしていて、

将来を大きく期待されてい"た"モデル。

本人も夢はパリコレへの出演。

 

一方育人は母子家庭で家族の服を作って

あげたり、密かにファッションデザイナー

という夢を持っていますが、貧乏故に

それを諦めようとしている高校生。

 

育人目線で見れば、これは貧乏な学生が

才能を発揮して駆け上っていく王道な

サクセスストーリー。

 

しかし、ランウェイで笑ってはそれだけ

ではありません。

 

育人が貧乏というハンディを抱えている

のと同様に、モデルである千雪もまた、

身長というハンディを抱えています。

彼女は幼少期とは違って、ほとんど周りに

期待をされなくなってしまっているのです。

 

 

育人との出会いによって彼女は

変わっていくのです。

育人もまた彼女に刺激を受けて、どんどん

成長していきます。

 

一応、便宜上は主人公は1人ですが、

個人的にはこの作品はこの2人の

ダブル主人公だと思っています。

 

この作品最大の魅力は、2人の関係性です。

2人とも常に順調に進むことはなく、

必ずくじけていきます。

でも育人が立ち止まっている時があれば、

千雪が現れて彼を引っ張り上げ、

千雪が進めないでいる時は育人が背中を押す、

これが繰り替えされながら

2人がどんどん成長していくところです。

 

 

育人はデザイナーで千雪はモデル。

だから常に戦う舞台は同じではなく、時には

敵対関係になる場面すら出てきます。

そんな時ですら、互いに刺激し合って更に

前に進んでいく関係性が、本当に読む人を

熱くさせるし、ほっこりさせるし泣かせます。

 

感想・まとめ

 

以上のようにこの作品の魅力は

2人の関係性と書きましたが、

そんな2人が時々見せるギャップも

たまらないんですよね。

 

普段ネガティブな育人が、時々

めちゃめちゃ強気な発言や行動を

する時や、ポジティブな千雪が

ふと弱気な面を見せる時には

グッとくることがあります。

 

あとはやっぱり、ファッションの

世界の作品なので、どういう仕組で

どういう構造で、どういう人達が何を

しているか、色々知ることが出来るので、

ファッション、モデル、デザイナーに

興味があったら絶対面白いです。

当然出てくる用語の解説も丁寧ですし。

 

 

それから作者である猪ノ谷先生が

公言していますが、業界に詳しくない人でも

入り込みやすいように「人」を中心として

描かれているので、登場人物も、特に男性

キャラは異質な変人ばっかりで面白いです。

 

あとはやっぱりショーのシーンですね。

それまでのパートとの雰囲気の変え方は見事です。

 

 

登場人物も、漫画自体も、常識をぶっ壊して進んで

いっているこの作品。

アニメ化が先に来たのは意外でしたが、おそらく

高確率で実写化もされます。その前に是非一読を。

 

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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