作品・作者に関して
たとえばラストダンジョン前の村の少年が
序盤の街で暮らすような物語(以下ラスダン)は、
サトウとシオ先生原作で書かれたライトノベルで
これはそのコミカライズ版の紹介です。
コミカライズ版はガンガンONLINEで連載で、
臥待始先生が作画を担当されています。
原作はGA文庫大賞の優秀賞を受賞しており、
2019年12月7日現在、具体的な時期は明らかに
なっていませんが、アニメ化もすでに決定
しています。
原作とアニメのPV映像の雰囲気と比べて、
漫画はコメディ調が強く、ギャグ漫画成分が
1番大きいかなと思います。
ラスダンのここが面白い
①主人公の設定
この作品の主人公ロイドは、コンロン
という村出身の少年で、王都で兵士に
なるために村を出ようと思っています。
ところが彼は村の中で1番弱いため、
村人は全員反対をしていて、それでも
押し切って王都に来たところから始まります。
冒険モノの王道なスタートですが、ラスダンの
面白さは、このコンロン村がどんな村であるか
にあります。
要するに主人公は一般人より超強い
のです。
なぜ強いかと言うと、コンロン村はタイトルに
ある通り、ラストダンジョン前にあります。
ファンタジーにおける、ラストダンジョンは
物語の最期なので、敵はめちゃめちゃ強いです。
そんなラストダンジョン近くで生活をしている
人達、もちろんクソ強いです。
そんな村で1番弱いロイド君ですが、彼が
訪れる王都はファンタジーで言えば、最初の
方に出てくる舞台。敵も弱ければ住む人も
レベルが低い。なのでその中で最強です。
だけど彼は村と王都のレベルの違いなんて
知らないし、自分は弱い人間だと思いこんで
やってくるので、めちゃめちゃ謙虚です。
逆に兵士を目指す他の訓練生たちや指導する
教官は自分が強いと思い込んでいます。
この2つが混ざったら何が起こるかというと
勘違いコントです。ロイドはめちゃ
めちゃ強いのに謙虚で卑屈だから、相手は
勘違いして上から目線で接しますが、彼の
強さを目の当たりにして驚愕。ロイドはロイドで
相手が「自分に合わせてレベルを下げてくれてる」
とか本気で思って、延々自分の強さに気づかず。
こういうコントがテンポよく入ってくるのと、
ロイドがずっと純粋に良い子なせいで成立して
しまう面白さ(と恐ろしさ)がまず1番目の魅力です。
②話数を重ねるごとに増すギャグのキレとスピード
とにかくギャグのテンポとスピードが速いです。
話自体もサクサクと進んでいき、吹き出しの数が
ほかの異世界作品と比べても多いので、
めちゃめちゃ早口で進んでいくイメージです。
アニメで例えるなら、てーきゅうとかギャグマンガ
日和みたいな感じで、この辺がハマる人はこの
作品も合うかもしれないです。
キャラクター達も老若男女うまくて可愛らしい
絵なので、このテンポとノリが不快にもならない
と思いますし、キレはどんどん増していきます。
3巻くらいになってくると、前述の勘違いコントが
別の形でも発生し始めるので、更にエスカレート
していきます。
ストーリーの本筋もあってそこはちゃんと進んで
いくし、ちゃんとした真面目なドラマも面白い
ですが、やっぱり魅力はギャグだと思っています。
③濃ゆいキャラクターたち
情景や余韻よりもキャラ同士の掛け合いが
中心の作品なので、その分だけキャラの
性格やリアクションが濃くなっていきます。
みんな無駄にクセがあり、ほとんどが
本業ボケの副業ツッコミ状態なので、
大体どの組み合わせでもギャグが発生する
のが笑えます。
例えば、1巻から登場しているアラン
という青年、初登場時はこんな感じですが、
巻数を重ねた結果
ギャグキャラに。
これは彼に限ったことではなく、ほとんどの
キャラが通る道で、全員巻き込まれていくので、
嫌な奴だった人もギャグに侵食されていって
結果みんな好きになっていくはずです。
感想・まとめ
異世界ものって沢山あって、同じ
異世界の中でもジャンルは分かれ
ますが、「ギャグ」というジャンル
であれば、1番を争うほど好きな作品
です。
タイトル長すぎてなかなか人に
薦めづらいですが。
主人公は一応チートキャラということに
なりますが、自覚なきチートなので
それがギャグになっているのが好きな
点です。
序盤はゆるめのほんわかファンタジーか
と思っていたのが、どんどんギャグが
強化されていったのが驚きで、多分これを
描いてる臥待始先生は、異世界もので
無かったとしても、ギャグ漫画を本格的に
描いたらかなり面白くなるんじゃないかと
思ってるので、今後の作品にも期待したい
漫画家さんです。
アニメはPVや画を見る限り、原作寄りに
なってここまでギャグ調強くならない
可能性があるので、アニメとは別に読んで
ほしい作品です。
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