作品・作者に関して
タイトル:BE BLUES!~青になれ~
掲載雑誌:週刊少年サンデー (2011~)
作者:田中モトユキ
代表作→リベロ革命!(2000-2002)
→鳳ボンバー(2002-2003)
→最強!都立あおい坂高校野球部(2005-2010)
あらすじ
日本人に生まれたら、サッカーをやっているなら…日本代表のユニフォームを手に入れたい!誰だってそうだろ!一条龍は、本気で日本代表になることを夢みているサッカー少年だ。幼なじみの双子・優人と優希といっしょに、まずは全国少年サッカー大会で優勝を目指す!!1対1の躍動感!ゴール前の緊迫感!絶妙の連携プレーを成功させたときの高揚感!サッカーの醍醐味がここにある。本格サッカー大河ロマン堂々開幕!!
田中先生は連載は全てスポーツ漫画なんですが、
凄いのが、4作品で3スポーツやっていて、
特に、あおい坂で野球、今作でサッカーと、
2大スポーツ漫画両方でヒット作を作っているのは、
田中先生以外にほとんどいないと思います。
大抵の作家さんはスポーツ漫画を描く時は
どれか1つに絞って、2作3作と描いて
いくものですが、バレーボールの漫画も
描いているので、青春スポーツ漫画を
面白く描く才能に溢れているのだと思います。
そして今作はその中でも1番長く続いてます。
おすすめポイント
各年代を追っていくキャプ翼スタイル
スポーツ漫画のほとんどは、高校なら高校、
プロなプロと、舞台は絞って描かれることが
ほとんどです。
ですがBEBLUESは、小学生編から始まり、
中学→高校と各年代を、まるまるスキップする
ことなく追っています。
これはいうなればキャプテン翼と同じです。
王道ともいえる熱い試合展開や、選手のドラマが
ある部分も同じですが、
キャプテン翼みたいな昭和ならではの破茶滅茶
演出やトンデモ展開がない分、もっとリアル重視な
今のスポーツ漫画化されており、
現代のキャプ翼
とも言える作品に仕上がっていると思います。
挫折
主人公である一条龍は、才能に溢れた
サッカー少年で、将来の夢は日本代表。
浦和のJrユースからオファーが来るほど
周りからも認められた実力者です。
しかしここで彼はある思いがけない大きな
挫折を味わいます。
そしてこの作品での龍は、何かを成し遂げ
そうになる度に様々な挫折を味わっていく
ことになります。
しかし何度も味わうということは、その数
以上に彼が再び立ち上がっているという
ことで、この作品の最大の魅力がそこに
あります。
何度挫けても、何度挫けても最終的には
立ち上がってまた前進をしていく龍の
姿が最高に熱い作品なのです。
しかも、立ち上がる部分だけでなく、
心が折れそうになる部分も包み隠さずに
描いていくので、成長も弱さも見ることが
できて感情移入しやすいです。
仲間との関係性
小学校からの長いスパンで描かれるので、
かつてのライバルが味方になったり、
その逆もあったりして、印象も変わって
いくのも特徴です。
その中でもずっと共にいるのが青海兄妹。
2人が龍に引っ張られて成長していく部分も
彼を支える部分も、この作品に欠かせない
2人の要素です。
↑※右が妹です
1巻感想・まとめ
1巻はなんといっても、終わり方!
龍たちの小学生時代を日常場面も
ガッツリ試合も描いていて、これから
更に明るい未来が待っていそうな
流れからの、不穏なナレーションが
入って、そして絶望的な次巻予告。
話の浮き沈みのさせ方がとても上手い。
それから先の方まで読み進めてから
改めて読むと、この1巻に30巻以降も
重要なポジションのキャラが多数出て
いることに驚きもします。
そして大事な試合のシーンですが、
そのカテゴリーに合わせてレベルも
ちゃんと変動させていくのは面白い
ですね。1巻は小学生編なので、複雑な
戦術の話は無いですが、中学→高校と
カテゴリーが上がっていくごとに試合の
中身も濃くなっていきます。
でも難しくなりすぎず、ちゃんと
選手個々に焦点を当てた展開をしていく
ので、サッカー詳しくない人にも
分かりやすい内容です。
むしろ現代のサッカー漫画の中では
1番誰にでも読みやすい作品では
ないかなと思います。
コメント