[雑記] キャラもの?女子専用?過小評価されるハイキュー

今月ハイキュー!!の最新刊が発売されました。

最新刊に関しての詳しい感想は別で書いたので

よかったら見てみてください。

 

 

今回は久々に主人公・日向翔陽の内面に迫った、

主人公回でしたが、とにかく深くて熱い話で、

1巻まで遡るような集大成に近い内容でした。

 

ハイキューってこの作品をタイトルや画しか

知らない人からすると、あまり評価の高くない

作品だと思います。

 

ネットでもたびたび目にするのは、キャラが

かわいくて女の子にだけ人気だとか、

子供っぽい作品だとか。その9割は実際に

ちゃんと読んでのものではないと思いますが、

とにかく過小評価されています。

 

自分はスポーツ漫画が好きで、かなりの数の

スポーツ漫画を読んできていると思っています。

そしてリアルタイムでスラムダンクを読んで

今でもあらゆるスポーツ漫画の中でも、

湘北VS山王はベスト試合だと思っていますが、

作品全体としては、ハイキューはスラダンに

全く引けを取らないクォリティーだと確信して

います。

でもスラダンは見てない人からも、凄い作品だと

言うことは伝わっているのにハイキューは違う。

ここの部分が非常に勿体ないと思ってます。

 

どの辺りがそれほど凄いのかと言えば、

ハイキューって序盤の頃から、1回戦で当たる

高校、普通の部活漫画だったら1ページくらいで

さらっと流すような段階の対戦相手であっても、

その高校やその生徒に色を付けて、ちゃんと相手校は

存在していて、そこには彼らの思いがあるんだって

いうところも描くのが特徴的でした。

対戦相手A、対戦相手Bではなく、○○高校がどういう

学校であるかを表現した上で烏野高校が勝ち上がって

いく話です。

それが、全国編近くまでいくと、選手個々の内面まで

深く掘り下げていって、彼らがどこでバレーボールと

出会い、何を目的にバレーボールをやっているのか、

最終的になゴールは何かまでを描くようになって

いきました。

しかもそれは味方は当然としながら、ライバル校の

選手に関しても同じです。

そしてその中身は熱いもの感動的なものばかりでは

なく、現在進行形でバレーにおいて勝ちに執着できない

とか、全国大会で活躍するほどなのに、バレーボールが

好きではないと割り切ってるとか、かなり生々しい、

熱血スポーツ漫画では絶対描かないような類の内面も

描いていっているのです。

そして安易に友情とかバレーボールへの愛とかそういう

要素に結び付けず、千差万別な選手ごとの考え方で

悩みと折り合いをつけたりしているところが秀逸です。

 

 

一般的なスポーツ漫画の登場人物よりも、人間の頭の中って

複雑じゃないですか。精神論で鼓舞されたり応援されても

なかなか簡単には変われない。そして他人から見たら何で

そんなことで・・って部分で悩んだりする。味方にも嫉妬

するし、くよくよする。

憧れた人も、会ってみたら憧れのままじゃなかったりする。

 

そういう人間らしさがこの作品にはどの漫画よりもたくさん

詰まっています。

 

もちろんそればっかりだと胃もたれしてしまいますが、

それらを内包した上で、試合が熱いのが凄いのです。

どっちにも揺れ、どっちにも見せ場が出てくる試合展開、

試合中にようやく悩みと折り合いをつけて立ち上がる場面、

 

点取られたのに、全力で走り回ってボロボロなのに

それを楽しさが上回った時の狂気

 

あらゆる感情が詰まった傑作、ハイキュー!!が

スポーツ漫画として正しく評価される日を待っています。

 

 

コメント

ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

りかるどをフォローする