[おすすめ漫画] 女性蔑視の時代を逞しく生きる!アルテ3つのおすすめポイント「大久保圭 / アルテ 」作品紹介と感想

作品・作者に関して

タイトル:アルテ

掲載雑誌:月刊コミックゼノン (2013- )

作者:大久保圭

 

あらすじ

16世紀初頭・フィレンツェ。芸術など文化活動が花開いたルネサンス発祥の地。 そんな活気あふれる華やかなる時代に、貴族家生まれのアルテが画家工房への弟子入りを志願する。 女性がひとりで生きて行くことに理解のなかった時代、様々な困難がアルテを待ち受ける。

大久保先生は、本作が初連載作品で、

賞レースでのノミネートなど注目度も

高く、2020年春からのアニメ化も

決まりました。

 

作品としてはフィクションですが、

時代設定はルネサンス期で、その時代の

フィレンツェが舞台となっています。

 

おすすめポイント

 

・中世の家庭事情
・強く生きる女性像
・芸術の都フィレンツェ

中世のお家事情

この作品の主人公アルテは、貴族の

生まれではあるものの、裕福ではない

家庭で、裕福でないイコール嫁ぐ時の

"持参金"も少なく、良縁が望めないと

という時代です。

そんな時代なので、お金も用意出来ない

アルテの母親は少しでも女性として魅力を

持って迎えられるよう、女性らしい習い事や

趣味を持つようアルテに求めるのです。

 

そのため、この時代の女性は自身の理想や

目標を持つよりも、結婚する相手の男性の

求める人間になる必要があって、個人は

軽視されていました。

 

ルネサンス期ということで遠い遠い昔の

世界ではありますが、この辺は昔の日本に

通ずる部分が少しあるような気がします。

 

 

強く生きる女性像

そんな環境でアルテは、あろうことか

画家を目指すと宣言をします。

もちろん母親は大反対するものの、

彼女は強い意志で家を飛び出します。

ところが母親だけでなく、やはり社会も

"働く女性"を求めてはおらず、彼女は

いきなり躓きます。

 

 

しかし彼女は意思の強さと負けん気で、

そんな男社会に立ち向かいます。

そんなたくましい彼女の姿も見どころ

ですが、決して何が起きても動じない

鋼のメンタルの持ち主というわけでも

なく、へこたれる場面もあるのがこの

作品の魅力です。

 

アルテは逞しくもあり、弱くもある

人間なのです。

 

芸術の都フィレンツェ

「ルネサンス」「フィレンツェ」

というワードを聞くと、とても

芸術的で華やかなイメージが湧く

と思います。

実際この作品でもこの都市の街並みが

描かれる場面が度々あり、

イメージ通りで趣のある風情を

楽しむことが出来ます。

 

 

しかしその一方で、あまり描かれない

裏の部分もこの作品では描かれていく

ので、どちらもひっくるめて、この

時代のヨーロッパに興味・関心がある

人にとっては興味深い作品であると

思います。

中世ヨーロッパを描いた漫画は結構

ありますが、やっぱり必ず良い部分で

挙がるのは、その時代の表と裏を知れる

という部分です。

 

 

1巻感想・まとめ

実在の偉人ではなく、架空の一般の

(女性)画家を取り上げることで、

この作品は伝記ではなく、あくまで

お仕事漫画from中世という感じが

して面白いです。

どういう絵画が描かれるかという

芸術・美術的な部分よりも、画家の

見習いが普段どういうことをしていて

どうステップアップしていくかが

クローズアップされているので、

より日常的な風景を見ることが出来

ます。

 

あと絵の師匠であるレオがめちゃめちゃ

カッコイイですね。

アニメでは小西克幸さんが声をされる

ということで、間違いないですね(笑)

勝利確定です。

 

中世お仕事漫画アルテ、おすすめです。

 

16世紀初頭・フィレンツェ。芸術など文化活動が花開いたルネサンス発祥の地。 そんな活気あふれる華やかなる時代に、貴族家生まれのアルテが画家工房への弟子入りを志願する。 女性がひとりで生きて行くことに理解のなかった時代、様々な困難がアルテを待ち受ける。

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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