[おすすめ漫画] ただのサッカー少年成長物語じゃない!アオアシの3つのおすすめポイント「小林有吾 / アオアシ 」作品紹介と感想

作品・作者に関して

タイトル:アオアシ

掲載雑誌:ビッグコミックスピリッツ (2015- )

作者:小林有吾

代表作→ショート・ピース (2017)

   →フェルマーの料理 (2019- )

あらすじ

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。

粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、
まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――

そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」の
ユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。

アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、
東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?

将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、
ここから急速に回り始める!!

小林先生は、水の森てんまんアラカ

ルトの月刊連載の後、初の週刊連載と

してアオアシをスタートさせました。

もともとサッカーでは地元のクラブを

応援していたなど繋がりがあったところに

ユースサッカー題材の作品を載せたい

いう当時の副編集長の強い推しに応える

形で引き受けたそうです。

 

アオアシは数々の賞にノミネートや受賞を

するなど評価も高まり、Jリーグとのコラボも

度々実施しており、2019年には舞台化もされ

てきました。

現在最もアニメ化に近いサッカー漫画の1つで

あるかもしれません。

 

おすすめポイント

 

・舞台がユースサッカー!
・主人公の意外なポジション
・本格的な戦術論

 

舞台がユースサッカー!

作品説明にもありますが、舞台が

クラブユースという、非常に珍しい

作品です。普通は高校の部活なので。

 

 

テレビや漫画以外でサッカーを見ない

人にとってはとても新鮮な舞台でもあるし、

部活とは全然違ったシステムになっている

こともこの作品を通して知ることが出来ます。

 

 

具体的にいえば、ユースチームは小学校年代

から同じメンバーで始まり、ジュニアユース、

ユースとカテゴリーが上がっていくタイミングで

人が減らされていく、超エリート集団です。

 

 

主人公は、実質入団試験によって途中から

そこに入っていくという、茨の道を渡ることに

なります。すでに見知ったる集団、しかも

選びぬかれた中に入っていくことの困難さを、

この作品はとても上手く描いています。

 

 

主人公の意外なポジション

主人公である青井葦人は、地元では

花形ポジション、フォワードでサッカーを

しており、序盤は本人もその攻撃的な位置で

プロになることを目指します。

 

 

ところが途中で彼は監督によって衝撃の

コンバートを命じられます。

そして以後、サッカー漫画の主人公では

ほとんど聞かないそのポジションで、

トップを目指していくことになります。

 

ここで面白いのは、これはただ単に、

作品に意外性をもたせるためではなく、

実際、近代のサッカー戦術において

そのポジションの重要性が物凄い

スピードで増していっているからです。

彼を試験に招いたエスペリオンFCの

福田監督は、青井がフォワードで使えない

からコンバートするのではなく、その

ポジションこそ最重要だと考えているから

するという、サッカーの潮流も捉えた展開

であるところです。

福田監督の目指すところの高さも良いですね

 

 

そして監督が青井にコンバートを告げる

シーンもそうですが、アオアシは度々

節目のシーンを巻末に持ってきて、

衝撃のうちに単行本が終わるという、

非常に巧みなシナリオ運びをしています。

 

このシナリオの面白さが、サッカー要素

自体面白いこの作品をよりドラマチックに

より面白くしています。

 

本格的な戦術論

そして良くも悪くも、サッカーの試合が

技術や戦術よりも気持ちや熱量にいきがちな

サッカー漫画の傾向とは違い、アオアシは

徹底的に戦術を追求します。

 

 

青井たちがユースのAチームに合流する頃には

ヨーロッパのトップクラブでやってるような

戦術を試しだすのですが、ここは読み応えが

あります。何なら

「マンガで分かる、グァルディオラの戦術」

とかで書籍化して出してもいいレベルで、

分かりやすくもあり、非常に深いです。

 

 

もちろん全部全部がそんな高度なことを

しているわけではなく、より戦術の基礎

となるような部分も順を追ってやっていく

のですが、これは他のサッカー漫画では

やってるのを見たこと無い内容です。

 

だからアオアシを読むと、彼らが当たり前

に日々やっていることが分かるので、プロの

サッカー選手をよりリスペクトするように

なること間違いなしです。

 

 

1巻感想・まとめ

サッカー漫画の歴史に残る傑作です。

技術や戦術をこれだけ高度に取り入れ

ているにも関わらず、熱さが損なわれて

いないところが本当に凄いです。

 

1巻では、青井が試験を受けてチームに

入団するまでの過程が始まりますが、

ここでもいくつかの山があって、

どれも高い熱量で描かれています。

よくよく見返すと、かなり込み入った

戦術の話も出てきますが、良い意味で

気にならずにスラスラと読めます。

 

青井が典型的な才能秘めた感覚系の

熱血主人公なのも上手く作用してますね。

彼が戦術を学び、頭の中のものを

言語化出来るようになっていくと単純に

成長していくだけでなく、化けていく

ところが面白いです。

 

 

戦術と熱量が同居した新時代の

サッカー漫画、アオアシは今後も時代を

引っ張っていくと思います。

 

 

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

 

アオアシ感想一覧おすすめサッカー漫画一覧

コメント

ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

りかるどをフォローする