[ネタバレあり] 田丸たちに突きつけられた非情な現実「ペリリュー -楽園のゲルニカ- 8巻」感想

 

終戦

今回は何だかんだで、戦闘もなく

落ち着き束の間の平和を楽しんで

いるような感じもありましたけど、

次に突きつけられたのが終戦という

事実。

解説にもありましたけど、デマだと

信じて疑わない兵士が多かったよう

ですね。

その理由の1つが、何人も殺されて

帰ってきてない家族もいるはずなのに

写真にあるように笑顔でいられる

日本人がいるはずないっていうのが

悲しいですね・・。

終戦から1年経ってるから島民が

帰ってくるっていう全く好転しない

状況に、投降を選ぶ吉敷は冷静に

判断できてる数少ない人間だったと

思います。

ただ人命を最優先した冷静な判断

よりも当時の日本帝国軍は、優先

するものがあったということで、

吉敷と田丸がどうなるのかが先が

読めない終わり方でした。

 

 

統率の難しさ

今回感じたのは、やはり統率の

難しさです。

まだ交戦中の方が生き残るために

ある程度意思は統一されますが、

少し余裕が出てくると欲が出て

きて、更に悪い状況を招きました。

そして作中にもありましたが、

島田がちゃんと管理が行き届いて

いる集団ですら、監視を忘れて

遊んでいたりと、気が抜けてしま

っていました。

当然そこから抜けていた奴らは、

もっと悪い方向に動いて、あわや

原住民を、という場面でした。

 

今より国民が同じ方向を向いていた

はずの戦時中ですらこうなのだから、

人をまとめる難しさを痛感します。

大枠での戦争が終われば、この作品も

終息に向かうと思っていましたが、

終戦後もまだまだ彼らの戦いは続いて

いきそうです。

 

 

昭和21年、秋。最後の戦闘から1年半、平穏が続く島に、島民が帰ってきた。終戦を知らず潜伏を続ける田丸と吉敷は、ある日、米軍のゴミ捨て場で「戦争は終わった」と書かれた新聞を見つける。敗けられない戦いだった。そう言われて命を懸けた。しかし訪れない反攻の日、無警戒な米兵の姿、“敗戦”へとつながる事実の数々に、生き残った兵士は揺れる――。戦争は終わっているのか、いないのか。終わっている方がいいのか、終わっていない方がいいのか。病に侵された仲間を救うため、真実を確かめるため、吉敷はある決断を下す――。玉砕の島で、覚悟を胸に、懸命に生きた若者たちの記録。

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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