[ネタバレあり] ROUTE END作者の描く独特のアジアンファンタジー「環の影 1巻」感想

影従国

ROUTE ENDの中川先生の最新作

ということで、中川先生の作品なのを

知ってからすぐ購入しましたが、

素晴らしい作品です。

 

先生は前作でもかなり独特な人物設定や

心情描写を描いていましたが、本作は

ファンタジーなので、現代劇だった前作

のように世界が縛られずに自由に描けた

ことが功を奏していると思います。

 

まずこの作品のメインの舞台になりそうな

影従国ですが、この舞台である星が

土星のように環があるという設定で、この

国は、その環の影を国ごと置いながら

生活するという、普通の人では思いつかない

舞台設定です。

 

主人公の部族が遊牧民というのはいくつか

ありますが、国ごと移動というのは見たこと

ないです。ハウルの更に強化版といった所

でしょうか。

そこだけでも十分、独自性が強いのに、更に

白鎧と呼ばれる、まだ1巻の時点では

どういうものなのか掴みきれない技術が登場

します。更にそれは応用すると全盲の人が

目が見えるようになるなどの力も秘めている

ようで、今後どう使われていくか見ものです。

 

更にストーリーもまた面白いです、

 

 

白帝戦役

この作品に登場する世界は、決して平和

というわけではなく、かといって魔王や

モンスターがいるわけでも無く、人間

同士が領土争いをしてる世界観です。

 

そしてあらすじにアジアンファンタジー

とあるように、雰囲気は古代の中国や

日本を思わせます。

 

途中にこれからの展開を匂わせる記述が

あり、これから戦争が本格化していきそう

ですが、どの国、勢力の人間もルートエンド

同様変わり者ばっかりなので、全く展開が

読めないですね。

無理やり例えるなら人形の国とかそっち系の

王道に決して寄せない作りになると思います。

 

序盤では主人公が誰になるのかすら全く

分かりませんでしたが、流れ的にはおそらく

兄を殺され復讐に燃えるカマルでしょうか。

 

先生の作風通り、おそらくどっちに敵と味方が

いるのか、どんな真相が待ってるのか読めない

作品になっていくと思いますが、白鎧による

戦闘シーンや、その上位の白帝の正体、

影従国やカマルの行方がとても楽しみです。

 

3月中に読んでいなかったため、twitterで

3月のベスト3から外してしまいましたが、

間違いなくベスト3に入る期待作です。

 

 

安定の・・

度々の前作比較で申し訳ないですが、

今作もクビがポロポロ落ちていき、

ある意味先生の十八番なのかもしれないと

思うようになってきました。

 

描写としてはそこまでエグくは無い

ですが、グロが極端に駄目な人は

あまり合わない作品かもしれません。

 

 

 

天に懸かる巨大な“環”。その影を追い暮らす“影従国”。その小国の安寧の日々は、ある日突然、侵入者の手によって崩れ去る。小国の火種はやがて多くの国々を巻き込み、時代は大きくうねり出す。壮大なスケールと緻密な描写で紡ぐアジアンファンタジー巨編開幕!!

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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