[ネタバレあり] DLの全てを変えた男が初の再登場 「バトルスタディーズ 35巻」感想

 

再会

前巻では新1年を入れての新体制スタートが

藁という問題児によって早速かき回される

展開でしたが、今回もです。

 

全体のトピックをあげるとすれば、

「鬼頭との再会」「我が道行く藁」です。

 

新体制になってこれまでほとんど誰も口にしなかった

鬼頭のその後でしたが今回遂に彼が登場しました。

しかしそこは、王道展開は決して行かないバトスタ、

会いに行ったのは花本と門松の2人でしたが、

感動の青春シーンになることも無く、鬼頭は2人に

悪態を付き、門松もまた真っ直ぐにそれに答える

わけではなくクズ呼ばわり。

ただ、鬼頭は嫌な思い出しかないDLの成績は

追っていたり、門松もクズクズ言いながらゲームの

アカウントを伝えたり、彼なりに会いに来た意味を

見出しつつ、歩み寄りを見せる展開でした。

門松以上に余計なこと言いそうな狩野は、帯同

させてもらえなかったものの、彼らしい手紙を

残し、いったん両者は分かれます。

ここではとにかく花本がDLの良心ということと、

おそらく鬼頭の弟と甲子園で対戦することになる

ことが示唆され、その時にDLのメンツが鬼頭本人と

会う可能性もありそうなことが分かりました。

 

 

ゴーイング藁ウェイ

今回も藁がある意味大暴れします。

全体ミーティングでは、目標が曖昧な

部長丸井に噛みつき、探りを入れようとする

狩野たちには挑発的な態度を取り、同じ1年の

寿も挑発してもう少しで暴力事件に発展する

ところまでいき、最期には檜にも

「狩野さんの犬なんすか?」

まで言い出す始末。

ただこの一連の流れは前巻以上に興味深いと

思いました。

 

丸井への指摘は至極真っ当で、前回先生との

やり取りで、「甲子園がゴールであっては

いけない」ということを気にしすぎて、

全体の士気にも影響しかねない状態でした。

 

それから意外だったのは入部前から親交のあった

寿が、想像してたより藁という人間を理解して

いなかったという点。

こういう奴なんだって受け入れた上で絡んでた

のかと思ったら、飲み込むことなく、自分の

価値観を押し付けるような展開になり、殴り合い

寸前までいってしまっていました。

ここももちろん、藁の挑発的な返しにも問題あり

ますが、本当に何もないのにしつこく聞いてくる

人がいたら自分もいらいらしてしまうかもしれない

と思いました。

ただまだ高1な寿からすれば、そんな奴いるなんて

夢にも思わないでしょうし、ここも難しい状態です。

今後藁が1年で孤立していく可能性も高そうです。

 

そして最後に先輩との関わりですが、1つ展開として

意外だったのが、3年との試合で藁が手も足も

出なかった点でした。前巻の感想では、選手の才能が

ずば抜けてる藁が、誰とも馴染めないまま実績を

上げ続けて部内での地位が上がっていくと予想して

いたのですが、意外に躓きました。

 

狩野にも檜にも通して、自分は掘っても何も

出て来ない人間であることを強調する藁ですが、

個人的には本当にそうなんじゃないかと思います。

近年漫画でもちょくちょく見かけるようになった

パーソナリティですし、現実にも一定数いると

思っています。凶悪な事件を起こした犯人に対して

メディアが家庭環境とか色々掘っても、普通の家庭

だった人も実際にいますし。

 

ただいずれにせよ、彼はやはり今後のDL学園を左右する

存在になっていくのは前巻の流れから変わらなそうです。

 

 

まとめ

今回は試合以外のシーンがメインで、一番目立った試合は

VS3年でしたが、ちゃんと年数経過していく部活漫画での

この組合せって1年生の中の天才が台頭するための

イベントになりがちだっただけに、ちゃんと3年が強さを

見せつける形になったのは予想外でした。

それだけ作品として安易に踏み台にしない3年への愛がある

というところも分かりますし、最後まで鬼頭含めた3年たちの

ドラマを描いてくれそうな期待も増えました。

 

一方で「俺が問題起こしたら~」とか不穏なこと言ってる藁が

コワイですが、なきぼくろ先生はこの非常に取り扱いの難しい

男と部員たちの向き合い方をどう描いていくか楽しみです。

 

甲子園出場へ向けて、止まっていた時間が動き出す…。

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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