「荒川アンダーザブリッジ」や「聖☆おにいさん」の中村先生の最新作!
最初、表紙だけではどういう話かわかりませんでしたが、サンタさんのお話です。
主人公の日野三春(コンビニ勤務)がある年のクリスマス、謎のサンタに連れて行かれて
異様なサンタの会社に就職し、そこでの日々が描かれています。
この巻のおすすめポイントは
①主人公とその周りの関係性が荒川アンダーザブリッジに似てる
②労働環境やら主人公の親とのやり取りがやたらリアルで現実的
③結構重めなエピソードもあり。
①はエリートであるリクとは似ても似つかない状態の三春ですが、
ただ1人その空間を異常だと認識しつつも、順応していってしまうところは
荒川アンダーザブリッジのリクに似てますね。主人公兼ツッコミ役というところも。
あと、同僚として出て来るこの人達も
一見マトモそうで、物凄く変わってるところが橋の下の住人達に似てます。
特に志乃さんは、人間なのに1人だけファンタジーかどっかの干物妹みたいな
特殊技能を持っているので必見。
②は、サンタ会社という異常空間が舞台ですが、この漫画はやたら労働環境やら
福利厚生やら、主人公の親による優しい精神攻撃やら
生々しいところは凄く生々しかったりします。
やめたげてよぉ!
そしてこの即決も仕方無しの高待遇。
後にも色々と福利厚生が出てきますが、働きながら資格が取得できるなど、
全然ファンタジー感がないのに、いる環境はファンタジーという中村先生だからこそ
演出出来てる面白い空間になっています。
最後に③では、荒川同様に基本的にギャグが多めなのですが、同じくミステリー要素も
多いです。表紙で見ても分かる通り、サンタが赤くなくて黒かったり、三春がサンタとして選
ばれた理由だったり、1巻だけでも謎が沢山出てきます。
そして前述の志乃さんの過去も終盤に登場しますが、結構重いです。荒川も住人達は色々な
理由あってあの場所に集まっていましたが、今作のがシリアス成分が強い気がします。
それでもギャグ要素は相変わらず健在で
一コマだけで面白いものから
どこかの妖精を思い出させるシーンまで、楽しめる内容となってます。
今後もっと三春の過去の掘り下げや他のキャラの登場など、謎が明らかになったり
また増えたりとしていくことになると思いますが、
記事のタイトルになってるように、荒川好きの人は絶対楽しめる作品だと思います!