はじめに
七都市物語は、
「銀河英雄伝説」や
「アルスラーン戦記」
などの原作でお馴染み、田中芳樹先生の作品です。
↓原作の小説自体は1990年の作品なので、25年以上前の作品になりますね。
実はすでにアニメ化もしているようです。
まずはどういう舞台の作品なのか、紹介していきます。
引き込まれる世界観と登場人物たち
七都市物語西暦2088年、地球の地軸が90度転倒する「大転倒」により、人類は全滅。 幸いにも月面に難を逃れた人々は、その後地球に七つの都市を建設した。 そして、時は流れ西暦2190年。七都市の一つ・アクイロニア市から歴史が動き出す!! 幾多の戦乱が、幾多の天才を生み出しながら───。
以上が、公式サイトのあらすじです。
ようするに、今から170年くらい先が舞台で、その世界では一度地球上の人類が全滅していま
す。その際、月に避難していた人々は助かり、彼らが再び地球に降り立ち、そこに7つの
都市を建設。それによって、その7つの都市が争い始めるという未来SFモノですね。
主要舞台となるのは7つのうちの1つ、「アクイロニア市」です。
ここには一癖も二癖もある人達が多くいて、今回のメインとなるのはこの3人。
リュウ・ウェイン
肩書はアクイロニア市の議員ですが、アクイロニアの元首から
直接アドバイスを請われるなど、参謀としての能力も高い人物です。
↑の見た目通り、常に眠そう・やる気なさそうな立ち振舞をしますが
実力は確かです。
アルマリック・アスヴァール
通称A・A。アクイロニア軍の大佐で、言動や行動で上司たちから嫌われていますが、部下から
は絶大な信頼を得ている人物です。この度、リュウの推薦により防衛司令官に任命され、早速
ニューキャメロットとの戦いでその手腕を発揮します。
一人だけ白黒という扱いの悪さアクイロニアの元首。
リュウに助けを求めるなど、手腕を高く評価していますが、
気まぐれな行動に、議会との板挟みになりいつも胃を痛めています。
ストーリーとこの時代の戦闘
彼らアクイロニア勢は、もと元首の息子が亡命したニューキャメロットの侵攻
により、迎え撃つか攻め込むかの選択肢に迫られます。
そこで元首はリュウを起用し、A・Aを長官としてニューキャメロットとの戦いが
はじまるのですが、メインは海戦です。戦闘機も航空機も登場しません。
未来の話なのに、何故戦闘機が出ないのか。それには「オリンポスシステム」
というシステムが関係していて、それによって人々は飛行することが出来なくなっています。
この巻でも、川や運河を利用した戦術合戦が展開されていきます。
まとめ
まず設定だけで引き込まれますね。未来であるにも関わらず、技術が逆光しているところは
「海皇紀」が思い浮かびます。戦闘が陸海縛りな理由付けもちゃんとされていて、
都市同士の関係も面白いです。
そしてこれは田中先生作なら当然ではありますが、登場人物が魅力的です。リュウとA・Aはも
ちろん、ニューキャメロット側の准将も癖がありそうで今後楽しみな人物ですし、少将も
潔くて好きです。
ただ何と言っても、A・Aの型破りな戦い方と駆け引きは見事で、この巻の最後ではだいぶ
スカッとさせられました。
原作の評価の高い作品ですし、作画のフクダさんの画は、人物像にマッチしていて、今後の
新しい人物の登場や展開がすごく楽しみです。
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