「うらみちお兄さん」は2017年に「第3回 次にくるマンガ大賞」“Webマンガ部門"、
「WEBマンガ総選挙」“インディーズ部門"などで1位に選ばれたギャグ漫画です。
元々は、今春アニメ化の「ヲタクに恋は厳しい」等が連載中の、
電子書籍サービス「comic POOL」での連載作品で、連載自体も、作者の「久世岳」先生が
別の連載話の息抜きでtwitterに投稿したものが、大反響を受けて本連載に取って代わった
そうです。
そういう意味ではONE先生の「ワンパンマン」に少し経緯が似てますね。
登場人物
表田裏道・・・この作品の主人公だよ。表と裏の差が激しく、番組中だろうと平気で
裏部分が見え隠れしちゃうんだ。特殊な職業ではあるが、一般社会人と似た悩みを抱えても
いるみたいだね。人気教育番組「ママンとトゥギャザー」の体操のおにいさんをやってるよ!
蛇賀池照・・・「ママンとトゥギャザー」のうたのおにいさんだよ。なので実質番組MCだね
見た目はかなりのイケメンなんだけど、空気が全く読めない上に
シモネタに対しての笑いのレベルが小学生レベルなんだ。すごく残念だね!
多田野詩乃・・・「ママンとトゥギャザー」のうたのおねえさんだよ。アイドル→モノマネ演
歌歌手→クラブのジャズ歌手→という、波乱万丈な経歴の持ち主なんだ。更に現在は、
売れる気配のない芸人と同棲6年目という、変なリアルさがこわいおねえさんだよ!
あらすじ
よい子のみんな~! 裏表のあるお兄さんは好きかな~?
教育番組「ママンとトゥギャザー」の体操のお兄さん・表田裏道31歳。 爽やかだけど情緒不安定な“うらみちお兄さん”が垣間見せる大人の闇に、よい子のみんなはドン引き必至…!? 大人になった“よい子”たちに送る、哀しみの人生賛歌!
この漫画の魅力ですが、まずはやはり基本となる、子供たちとの掛け合いです。
「元気いっぱいの子ー!」と、よく見る微笑ましいやり取りですが、
うらみちお兄さんの場合、その後
「しんどい、辛い、何もしたくないって人(唐突な真顔)」
「はーい・・おにいさんだけか」
など、子供たちですらドン引きするような事を、平気で言います。
それ以外にも、「乗り気じゃないことにも全力で取り組む姿勢、就職活動の時とか
絶対役に立つから大事にしようね!」と、ちびっ子達に言うべきでないことのフルコースが
毎日ふるわれています。でも子供側も
「なんでおにいさんは31なのに、結婚してなくて子供もいないんですか?」
と、大人なら使用しない、精神殺戮兵器を繰り出してきます。
上の2つの言葉は両方共1話のものですが、この後どんどんエスカレートしていって
子供たちもこういう掛け合いに順応していく様が面白いです。
詩乃おねえさんの、子供たちの結婚や恋愛に関しての質問に、教育番組に出る形相じゃない
顔で答えるところや、着ぐるみの後輩達への
「諦めても、終わらせてもらえない試合もあるんだよ・・」
などの名言が飛び出したり、子供たちに励まされてしまうところは、同じ社会人としては
面白くもあり辛くもあるところです。
ネガティブな笑いばかり紹介してきましたが、この漫画、そんな闇を抱えながらも何だかんだ
みんな仲良くやってるのが魅力だと思います。
「チン」という2字が付くだけでツボに入る、池照おにいさんは、よく裏道おにいさんに
弄ばれますし、いつも裏で裏道おにいさんの悪口を言っている、着ぐるみの中の後輩、兎原は
なんやかんやでプライベートでもおにいさんの家に押しかけては飲んでたりします。
険悪な感じになっても、最後に子供から感謝と楽しみの言葉を聞いて
「何はともあれ、頑張りましょう」と立ち戻るところは、子供好きなんだなってのが
伝わってほっこりします。
あと、1巻発売時にPVが作られていますが、これがCV:神谷浩史ということで、
否が応にも、アニメ化の期待は膨らむところですね。楽しみです。