[ネタバレあり] 変わり始める過去。読者にも置いてかれる主人公「テセウスの船 3巻」あらすじと感想

あらすじ

田中さんのところにあった、メモの絵の謎が解けないまま、

田中さんが亡くなるはずの2月5日、終了まで残り数時間。

特に何も起こることもなく、時間が過ぎますが、

田中家のドアを叩く音が。外にいたのは明音の両親。

なんと明音ちゃんが行方不明だということです。

心ノートによると、明音ちゃんが行方不明になるのは3月のはず。

 

 

さらに記載のなかった鈴の失踪。田中さんの生還。

かなり過去が変わってきているようです。

ここで明音ちゃん視点に移りますが、意外とあっさり

明音ちゃんを誘拐した犯人は判明します。

前の巻であからさまに怪しかった長谷川翼

 

彼は何故こんなことをするのかという、

明音ちゃんに対し「お稲荷様が怒っている」

とわけの分からないことを話します。

ただの下ネタでないことを祈ります。

 

そして、明音ちゃんにわいせつな写真の撮影を強要。

その頃、田中家では新しい手がかりが。

メモの2人の姿にばかり目がいっていましたが、

 

 

その上の飛行機みたいな物体に注目。ここにも何か

ヒントはありそうですが、現時点で何なのかは掴めず。

前日怪しい動きをしていた長谷川翼への聞き込みのため、

心は長谷川宅へ。長谷川翼宅には、佐々木紀子が

いましたが、心が長谷川がいるか尋ねると何も答えず

そっ閉じ。ではなくバンッ閉じ。

 

どこかで見た名だと、心がノートを探ると、佐々木は

4月に青酸カリで自殺することが判明。

佐野逮捕の決め手ともなった青酸カリ。

佐々木の勤めている工場を訪ねると、そこに保管されていた

青酸カリがなくなっています。

学校では飛行機のような絵の正体が分かります。

音臼岳の小屋の風速計。佐野と心は小屋に向かいますが、

小屋の中に明音ちゃんはおらず。嘔吐物と、

キーホルダーが落ちているのみ。そして外に出ると

尾行してきていた金丸に、大根芝居に付き合わされ、

公務執行妨害で逮捕。

 

心が逮捕されてた頃、

別の場所には長谷川と明音ちゃんの遺体が・・・。

 

 

考察

やはり長谷川はミスリードだったようです。

といっても相当なクズ野郎ですが。

一連の事件には直接関係ないようですが、

共に暮らす佐々木も含めて、この夫婦の存在は、

かなり真相への道を撹乱してきそうです。

結局今回は、真相へとほとんど近づくことがなく、

逆に新しい謎が増えてしまいました。

 

○鈴は何故なにも話そうとしないのか。

 明音と何があったのか

○小屋に落ちていたキーホルダーは

 どちらのなのか。

○長谷川と明音の最期の謎

 

1つ目と2つ目は繋がりそうですが、

落ちていたキーホルダーに書いてあったのは2人の名。

 

 

これは監禁シーンで、明音ちゃんのランドセルには

AkaneのAが入っているため、おそらく鈴ちゃんのでしょう。

 

 

ということは鈴ちゃんも、そこにいたもしくは、

何らかの形で接触があったはずなので、今後の

鈴ちゃんの証言が重要になってくるでしょう。

長谷川が去ったあと、小屋に現れたのは、

おそらく犯人でしょうが、鈴ちゃんの可能性も

ゼロではないかも?大人の靴の跡もありますが・・。

そして、結局長谷川と明音の2人は一緒に遺体に。

長谷川は一度自宅に帰っているので、別々の

場所で殺して一緒にしたのか、謎は深まります。

最期に今回の次巻予告。

 

 

犯人に心のノートが見つかるという大失態を

犯しているようです。

次巻ではますます窮地に立たされそうですね。

 

 

まとめ

遂に過去が変わり始めました。しかも、悪い方向に。

この巻での、心の立ち回りはますます悪化。

理由も言わず、ノートを見たいという佐野を拒否

し続けて、信頼を失っていくわ、

良かれと思ってしたことが全部裏目に出てます。

ある意味ここがこの作品のポイントであり、

テセウスの船というタイトルの理由に

なっていくかもしれません。

 

まだまだ犯人が、好き放題動き回るパートは

続きそうです。

旦那が、小さい子の裸の写真を撮ってるのに

気付いてるのに、燃やして証拠隠滅を図ったり、

犯人以外もヤバい人だらけの様相を呈してきた

音臼村ですが、まだまだ謎は多いです。

 

 

田中さんとこの倅は、笑いのツボが謎ですし、

なんかこのシーンは間とか空気が謎でした。

それから、音臼岳の小屋を言い当てた、

クラスの加藤みきお君も少し謎。

基本的に心側についてくれていますが、

あんな場所、子供が一発で思い当たるものなの

でしょうか。気にしすぎかもしれませんが。

 

今の所、主人公が読者に置き去りにされる

ミステリーという、斬新な展開をしていますが、

どこかで心の逆転が始まることを信じて、

今後も見守りたいと思います。

 

1989年6月24日、北海道・音臼村の小学校で、児童16人を含む21人が青酸カリで毒殺された。逮捕されたのは、村の警察官だった佐野文吾。28年後、佐野の息子・田村心は、死刑判決を受けてなお一貫して無罪を主張する父親に冤罪の可能性を感じ、独自に調査を始める。事件現場を訪れた心は、突如発生した濃霧に包まれ、気付くと1989年にタイムスリップしていた。時空を超えて「真実」と対峙する、本格クライムサスペンス、開幕。

 

 

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りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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