[ネタバレあり] ダークヒーロー街道爆進のルイと、悟りを開いたレゴシ「BEASTARS ビースターズ 8巻」あらすじと感想

 特訓開始

前巻では、しばらく学園には戻ってこない雰囲気で、

去っていたレゴシでしたが

 

即帰宅。本編スタート2ページ目での快挙です。

家出した時ののび太並の好記録です。

 

というのも、見た目と裏腹に物凄い真面目な

ゴウヒン先生が、学業との両立を条件のひとつに、

強くなるための特訓を引き受けたからでした。

 

ここでレゴシが、裏市に出入りしてもシシ組に

バレないようにイメチェンをするのですが、

した途端に、それまでレゴシのお願いを、

聞く耳持ってなかったゴウヒンがすぐに「心おきなく

毎日こいや」と快く受けてたところが良かったですね。

なんやかんや言って、レゴシの安全面も学業のことも

心配してくれてる優しさ。

 

まぁシシ組はボスがあの人なんで、すぐにバレて

しまいますが(笑)

 

そんな流れで、レゴシの授業→部活→ゴウヒンの元で

特訓というハードな毎日がスタートします。

 

 

 ダークヒーロー・ルイ

レゴシが、肉を食わないと力はついていかない

というゴウヒンのススメを固辞し、

肉食自体を克服する修行をしている中

 

売春相手に食い殺されそうなストリッパーを

シシ組が救ったり、裏市で暴れる対立組を成敗したり、

裏市のダークヒーロー感が出てきてます。

 

この流れでイメチェンしたレゴシと出会ったり、

さっきのストリッパーと再び

会ったり、ルイのギャングストーリーにも少し、

変化が出てきていました。

 

慣れない新生活

再び、レゴシパートに戻り、

肉食断ちを続けていたレゴシは

 

 

悟りを開いていました。

 

悟りを開いたことで、レゴシの体には大きな変化が生まれます。

精神面が大きく変わったことで、

RPGゲームみたいな変化が起き、新しい戦い方を身に着けたレゴシの

修行は次の段階へ。

肉食患者を確保するゴウヒンを、サポートする日々がスタートします。

 

同時に距離を置いていたハルちゃんに、学園で再び会うも、

なかなか噛み合わず、

終いには、とんでもない衝撃発言をしてハルちゃんを驚かせます。

 

ここの会話、難しく考えすぎて、頭の中で自己完結してる事が

多すぎるレゴシと、小難しいことは良いから、

レゴシに単純なことだけ望んでいる、ハルちゃんとの間の

ギャップが物凄くリアルです。女性作者だから描けてる

描写じゃないでしょうか。

 

逆に、難しいことを捨てすぎてシンプルになりすぎて、

自分がどんなとんでもないこと

言ってるか分かってないレゴシも含めて、

この巻で一番の名シーンだと思います。

 

 

 スピンオフ漫画、再び

本編は以上のところまでで終わりですが、個人的に

この漫画で一番好きなシリーズ、他キャラ

が主人公のスピンオフ漫画が最後に1話入ります。

 

何故このシリーズが一番好きなのかといえば、

レゴムの回も、ジャックの回も、そして短編集でも

あるBEASTCOMPLEXも、本編とは直接

関係ない(レゴシやジュノが出たりしますが)のに、

本編同様に動物たちの特徴や、性質を色濃く、

現代の人間社会に融合できているところです。

 

例えば今回は、テーマがSNSなんですが、

この世界にもSNSはあり、「ビーストブック」

というSNSでは日々、学生たちが自分たちの写真を

挙げています。

現実世界同様、イイネを多くもらうことをステータスに、

様々な工夫がされるのですが、その中に、

今回の主人公チーター♀のシイラが抱える悩みがあり、

それは

 

草食と肉食が一緒に写ってる写真は

イイネ率が非常に高いということ。

 

この世界自体のメインテーマに「草食と肉食」がありますが、

まさにそれを反映した話であり、シイラは写真を獲るときだけ、

イイネをもらうためだけに、自分が写真に写らされてると悩みます。

ここから話は、草食と肉食の友情だったり、

それぞれのSNSに対する考えかたとかに広がっていくのですが、

動物世界があったと仮定したら、本当にありそうな事柄です。

 

こういったストーリーだけでなく、シイラは自分自身の

肌が柄物だから、服はシンプルなデザインのものを

好むとか、小ネタにもこだわりが細かくて、

ただ擬人化しただけに留まらないところが良いです。

あとこのエピソードの終わり方もめちゃめちゃ良いので

是非読んでください。

 

 まとめ

1巻の頃の事なかれ主義、目立たない存在でいたいレゴシが、

シシ組襲撃と真犯人(?)の奇襲を経て、大きく成長した回でした。

 

逆にハルちゃんとの仲は、ある意味更にギクシャクしましたが(笑)

ハルちゃんの方も結構思い切ったアプローチをしてるのに、

レゴシはそれに対して大暴投放り込んでしまってますから。

ジュノに対しても、天然で思わせぶりなことをしてしまったり、

今回のレゴシは、♂♀関係は、端から見たらかなり痛い男な

感じになってしまいました。

 

ルイの方は、決意を固め直したところで、レゴシに遭遇。

誤解が生じてしまっているので、これが今後、何か重大な

齟齬をうまないか心配です。

 

次巻では、今回の継続からの転換回になるでしょうか。

引き続きレゴシとルイ、同時に追っていって欲しいところです。

 

肉食獣と草食獣が共存する世界。そこには、希望も恋も不安もいっぱいあるんだ。チェリートン学園の演劇部員レゴシは、狼なのにとっても繊細。そんな彼が多くの動物たちと青春していく動物群像劇!!

 

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りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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