[おすすめ紹介]ジャンプ王道☓相撲☓団体競技=傑作「川田/火ノ丸相撲 (高校相撲編)」あらすじと感想

火ノ丸相撲は、18年10月現在、週刊少年ジャンプで「大相撲編」が連載中の作品です。

作者の川田先生は、Ns'あおい町医者ジャンボ!!こしのりょう先生や、

黒子のバスケやROBOT×LASERBEAM藤巻忠俊先生の元でアシスタントを経験

されています。今回が初の週刊連載です。

 

あらすじと登場人物

あらすじ

神事であり、武道であり、格闘技──それが相撲!!

弱小の大太刀高校相撲部に現れた新入生、"小さき"少年・潮火ノ丸!「デカく」「重く」が絶対の競技に似合わぬ体格のこの新入部員、実はとんでもないことに...!? 火ノ丸と弱小相撲部が殴り込む頂への道!目指すは日下開山!白熱高校相撲物語、待ったなし!!

 

 

登場人物

潮 火ノ丸・・・今作の主人公。かつて小学校相撲で無類の強さを誇った異名「鬼丸国綱」。

小学校以降の挫折とコンプレックスを乗り越えて、大相撲の横綱を目指している。

仲間思いで熱血漢、勝つための努力も怠らないジャンプの主人公らしい主人公だが、

ほかの作品とは違い、成績優秀という面を持っている。

 

小関 信也・・・大太刀高校相撲部の最古参で部長。不良グループに道場を奪われるも、

1人で相撲部を守り続ける。

個人的に裏主人公。力士としての基礎力は持つものの、メンタル面が大きな弱みに。

相撲への愛で潮と意気投合し、全国優勝を目指す。

 

五條 佑真・・・不良グループのリーダー。元空手部で関東大会優勝の実績を持つ。

色々あって相撲部に入団するが、彼も準主人公に限りなく近い存在。

終盤まで続く小関との微妙な関係の結末は、この作品屈指の見どころ。

 

國崎 千比路・・・元レスリング全国優勝の超実力者。格闘技を極めるために

相撲は未経験ながら、自分を完敗させた潮のいる相撲部へ。

いわゆる天才枠だが、従来のクールなそれではなく、熱血ポジティブ。

 

三ツ橋 蛍・・・潮と同じ1年生だが、相撲も格闘技もスポーツも未経験な素人。

それぞれ素養があるチームメイトの中で、自分の得手を模索する。

いわゆるへっぽこ素人枠。

 

 

 迫力の取組シーンと展開

もともと相撲は平均して、格闘技の中でも最も試合時間の短いものの一つですが、

その短い時間の中での駆け引きと、展開のさせ方が抜群に上手いです。

 

 

 

漫画によっては、展開が簡単に読めてしまう描き方をする作品があります。

もちろん、わざとそうやってる事もよくありますが、

この作品は、展開も勝敗も 読めない

技をかけた、と思ってもそこから切り替えされたり、現実の相撲でも

度々起こる展開もよく出てきます。

 

 

個人戦がメインではなく、高校ごとの団体戦がメインの作品なので、

3つ白星が付けば、どんな内訳でも問題がない。それを最大限に生かして、

潮以外のメンバーは目まぐるしく勝敗が入れ替わります。

次パートで触れますが、それがかえって潮以外の、相撲で実績のない

メンバー達の成長していく姿を表現する武器になっているのです。

 

 

作者本人が格闘技マニアであることもあってか、

簡単に現実では起こりえないような奇跡の展開もそう簡単に

起こることはなく、リアルでシビアな結果が出ることもしばしば。

 

異名を国宝になぞらえたり、それぞれに得意技や必殺技ともいえる技を

持っているなど、ジャンプ王道らしい要素もありますが、

あくまで世界観は現実路線。

 

決して分身したり、相手を客席上段に

ぶっ飛ばしたりはしません。

 

 

 魅力的すぎる大太刀高校の面々

何よりのポイントは、部員達の成長です。

主人公である、潮火ノ丸は、1話時点である程度メンタルは完成しており、

ブレたりつまずくことは少ないです。

 

その分、経験やメンタルが足りていない部員達は、何度も折れたり

壁にぶつかっていくので、潮よりも感情移入しやすいかもしれません。

 

 

個人的には、潮の試合には取組そのものの魅力が詰まっていて、

他のメンバー(特に小関部長)の試合には、人間ドラマが詰まっている

と思っています。

 

 

小関部長はダイの大冒険」でいうポップに近い存在だと思います。

弱虫だった部長が精神的に大きく成長していくところは、

才能があるのに、全く活かさないポップの大成長に重なる部分があります。

 

 

もちろん潮以外のメンバーも、それぞれスタイルが違うので、

そういう勝負の違いも魅力のひとつです。

 

 

 

 まとめ

同作品は、高校相撲編と、大相撲編に分かれていて、18年10月現在では大相撲編に

移行しています。

大相撲では潮個人が中心ですが、高校編ではチームそのものが主人公といってもいい

内容です。

 

王道の熱血漢、流されやすい豆腐メンタル、

部活を通して自分を変える元ヤンキー、

お調子者の天才、自分を変えたい弱虫ド素人、

 

人によって、こういう主人公が良い!って好みはあります。

火ノ丸相撲は、部員全員にスポットライトが強く当たるので、

幅広い主人公像が満足できる、そんな作品だと思います。

 

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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