[ネタバレあり] 串刺し公降臨!エスカレートする政争が次の段階へ「ヴラド・ドラクラ 2巻」あらすじと感想

 

 ダン・ダネスティ

前の巻では、圧倒的な力で貴族を牛耳り、権力を持っていたアルブに対し、

当初は公であるにも関わらず、強い態度を示せなかったヴラドが、

商人たちを味方につけたり、敵の策を逆に利用したりで、アルブを脅かす

ところまで駆け上がりました。

 

今回も両陣営の抗争が続きますが、今回は共にエスカレートした

戦いになっていっています。

 

アルブ側は、ダン・ダネスティを立てて、ヴラドの名を騙って

ハンガリー領内の村々を襲撃するなど、過激な策に出始めます。

自分で襲撃しておきながら、それをハンガリーに密告して

自分のハンガリーでの株を上げるという自作自演ですね。

 

相手も汚いですが、それを内通者に吐かせるための

ヴラドの策がなかなかエグい・・。

前の巻の最後もそうでしたが、よくこんなのを

思いつきますよね。

動かしたい相手への精神攻撃の精度は、歴史漫画の

主人公の中でもトップクラスかもしれません。

 

なおもダン側は策を継続しますが、

ヴラドも黙ってはいません。

 

 

 忠臣・リナルト

ヴラドは、逆転の策を老臣リナルトに託しますが、

彼の行動は、今回の最大功労でしょう。

 

フニャディ家を上手く利用した、ヴラドの策自体も

素晴らしいですが、体を張った演技と、家臣たちへの

説得は完璧。1巻の序盤では、まだヴラドの力量を

過小評価していたリナルトですが、見事な忠臣です。

 

策が成功したことによりダンはあっという間に

アルブに見限られちゃいましたが、ここからアルブ側が

ほぼほぼ直球ストレートを投げ始めます。

 

ヴラドが見定めた新・大蔵卿は

 

わずか5ページで死亡

 

その他のヴラド側の人間も次々暗殺され、

遂にはリナルトまで・・・。

 

リナルトの殺害には流石に、ヴラドも激怒し

我を失ってはいないものの、2巻にして

早くも。反乱分子たち全員に容赦なく、

伝家の宝刀

 

串刺し

 

が炸裂したのでした。

 

 

 まとめ

まだまだ続くワラキア内の抗争。

手段を選ばない両者の駆け引きが

さらにおもしろくなってきてます。

 

今回はほとんどベッドの上にしかいない

くせに、次から次へとヴラドを陥れる策を

思いつくアルブ。

 

それに対して、それを上回る過激な

策で見事応戦するヴラド。

基本常に無表情ですが、リナルト殺害の

時は明らかに怒りの色が出てました。

そうした感情が表に出るタイミングが

家来や味方を想う時ってのが良いですね。

 

 

今回遂にお披露目となった串刺し公の伝家の宝刀

ですが、最初は国内で炸裂してたんですね。

直接的な画はありませんが、串刺し刑執行の瞬間

の描写はこれまたエグいです。

 

容赦のない一手を打ちながら、まだまだ

いけそうなヴラドに対し、

未だ反抗の意思は見せているものの

追い詰められつつあるアルブ。

 

次巻で2人の戦いは決着するかもしれません。

そうなると、あっという間に

ワラキア国内はまとまるのか

また別の問題が出てくるのか。

すぐさまハンガリーなどの他国との

戦いに入っていくのか、

駆け引きが非常に面白い漫画なので、

いずれの展開でも楽しみです。

 

残虐の暴君か、国を護りし英雄か――。15世紀中期。南にヨーロッパを席巻するオスマン帝国、西に大国ハンガリー。ふたつの強国に挟まれた小国・ワラキア(現・南ルーマニア)にひとりの若き公が戴冠する。その名は、ヴラド三世。国内政治は貴族に支配され、外交は大国の情勢に左右される中、ヴラドは故国・ワラキアを護るため、その才を発揮していく――。“串刺し公”の異名を取り、ブラム・ストーカーの小説『ドラキュラ』のモデルとなったヴラド三世。その実の姿に迫る、歴史ロマン。

 

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りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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