あらすじ
前回はがっつり関東北条氏の
エピソードを盛り込み、最後に
いよいよ権兵衛が動き出した
ところでした。
今回は完全に権兵衛中心回と
なりました。
まずは権兵衛が新参古参
入り交じる部下たちに
自身の回想を語るところから
始まります。
戦場へと赴く前に、稲葉山城
へ立ち寄った中で、
信長や秀吉との思い出を
語っていく権兵衛。
改めて見ると秀吉の
変わりっぷりは凄まじいです。
そんな秀吉の息子、秀次を
総大将とした陣へ到着した
権兵衛たちは、一度弾かれた
身であることもあり昔のような
先陣ではなく救援部隊に。
そして秀次は秀吉に認められたくて
完全に前のめり状態でひたすら前進。
普通なら大失敗フラグの立つ状況
ですが、豊臣軍は数の暴力でフラグを
ぶち折りながら快進撃。
久々の戦場に立った権兵衛は、
昔のような猪突猛進は見せず、
無理をしない進軍を展開。
途中、秀吉が権兵衛たちのいる
陣に立ち寄り、並んだ何十人という
諸将一人ひとりを秀吉ブースで相手する
という握手会みたいな方式で
労っていきます。
権兵衛の部下はそこに参加して復帰を
嘆願してくださいよと頼まれますが、
新参ならそれでええけど、昔なじみが
それをするのはちゃう。という
空気の読める男に成長。
結局秀吉と権兵衛は一言も交わす
ことなく離れますが、秀吉は大勢の
中にいた権兵衛に気付き、互いに
久々に存在を意識した場面でした。
結局下っ端のままの仙石軍に
部下たちの不満は溜まりっぱなし
ですが、ここで権兵衛は大きな出会い
を果たします。
その人物とは長丸。後の
徳川秀忠です。
そうとは知らずに生意気な
坊主と思い殴りつけるという
最悪な出会いをした2人
ですが、父家康の話で
最終的に意気投合し、
最終的に秀忠の命により
徳川軍から陣借りさせて
もらう形で遂に挽回が
スタートしていきます。
感想
正直念能力者・島津との
戦いでの大敗北以降、
ずっとしょっぱかった
権兵衛ストーリーが
ようやく面白くなって
きたと思います。
特に今回良かったポイントは
2つ、
①秀吉との距離感
②徳川家との繋がり方
でした。
①は、これまで最初に
拾ってもらって以降ずっと
下に就いていた秀吉とどんどん
遠くなっていく話ばかりが
進んでいき、失敗の後は
厳しい処罰をするかと
思いきや、逆にやたら温い処分で
済んでしまったせいで、
どう近づくのか分からなくなって
いた権兵衛が、感覚的にでは
ありますが、あえて近づくのを
止めた場面、秀吉からも歩みよる
ことは無かったものの、権兵衛の
姿を見て、自然と共に行動してた
時のキセルを持つ動作をしてしまう
シーンは、トップとしてずっと
厳しい顔をして秀吉の顔が少しだけ
緩んだように見えて、このシーンの
表情の描き方は絶妙でした。
②は、仙石秀久の挽回において
徳川家康の存在が非常に
大きかったのはすでに知っていた
ので、どこでどうやって絡むのか
とずっと思っていました。
それが幼少期の秀忠との権兵衛
らしい今回のような形にしたのは
すごく良かった。
この作品に登場した頃の家康は
博打大好きのマッチョメンでした。
なのに、小牧長久手くらいから
超保守的になっていたのを、
自身も部下や守るものが増えた
ことで考え方が変わったことで
共感することが出来た。それを
秀忠に話したことで、自分自身に
とっての契機になったという話、
ちゃんとこれまでの権兵衛の
進み方も生かされているし、
まだ子供の秀忠と良くも悪くも
対等に話してる感じも
昔ながらの権兵衛らしい。
予想を上回る良い出会い方
だったと思います。
今後の展開
次巻ではいよいよ
小田原城の本城を
攻める展開になり
そうです。
前回の予想では、
秀吉の闇落ちが心配に
なりましたが、
権兵衛との話でそこが
少し好転したので、
大丈夫そうです。
ここからはおそらく
権兵衛は最大の挽回を
開始してくれると思います。
久しぶりの家康との絡みや
彼らがどう変わっていくかが
また楽しみです。
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