[おすすめ漫画] 和山やま/夢中さ、君に。紹介と感想「雰囲気と文章のセンスが絶妙にハマる傑作短編」

作品・作者に関して

夢中さ、君に。は、

1つの作品ではなく、主に2つの

お話を1冊にまとめた短編集です。

短編のうちうしろの二階堂

すでに単行本発売前からWEBで

話題になっていたシリーズです。

和山やま先生は、ワヤマ名義で

pixivやtwitterで活動をされていて

うしろの二階堂も、pixivへの投稿で

賞を取ってきた作品です。

 

 

絶妙にマッチする雰囲気と構成

まずこの作品、先生がよく

描かれているジャンルが

そうであるためか、BLに

分類されているようなのですが、

個人的にはそこはほぼ

感じませんでした。なので、

そういう作品が好きな人は勿論、

ノンケ一般男子でも間違いなく

楽しめる作品です。

 

分かれている2編は、主に

前半が林編、後半が二階堂編で

前半は、エキセントリックな行動と

言動が目立つ不思議な少年・

中心としたその周りの人達のお話。

 

後半は、話すと呪われるだの、

触れると増えるだの、滅茶苦茶

言われてる、異様な空気をまとう

二階堂のお話です。

 

1番有名なのは、後半の二階堂編の

1つ目、日高くん視点の二階堂くん

描かれる話で、キャラも構成も1番

分かりやすいのでここから読み始める

のがいいかもしれません

彼が上の画像のような異様な感じに

なってるのにはちゃんと理由が

あってそこも面白いですよ。

 

この作品の1番の魅力は、漫画漫画

してない空気感と、日常会話や

展開から溢れ出るセンスの良さです。

例え文章だけにして小説化したと

しても多分作品の雰囲気は一切

変わらないし、面白いものになると

思います。それだけ文章にセンスを

感じるし決して難しい表現も

考えさせられる描写もないのに

ハッとさせる構成力は素晴らしいです。

それだけの文字の力に、絶妙に

シュールな描写と画が合わさるので

より文章のセンスが際立ちます。

 

それがよく分かるのは

このコマですっていう形では

表しにくいですが、

試し読みで林編の途中まで読める

のでそこで感じてもらうのが1番

いいと思います。

 

感想・まとめ

久々にセリフやナレーション

文章の力を強く感じる漫画を

読むことが出来たと思います。

 

この点でいえば、特に

林編後半にある、2人のやり取りと、

ほっこりする終わり方の

おいも3兄弟と仮釈放編が

1番好きなエピソードでした。

 

それから二階堂編は新たに

書き下ろされた、二階堂視点

でのエピソードの方がむしろ

1番有名なエピソードよりも

好きなので、ネットで

うしろの二階堂を読んだ、

これから読むという人で

それが気に入った人は

絶対読んだ方がいいと思います。

 

1人の視点から描かれたエピソードが

また別の視点から描かれる話って

ハズレがおそろしく少ない気がする

のですが、私だけでしょうか。

 

全く別の作品ですが、

喰う寝るふたり 住むふたりなんかは

別視点がメインに来てて大好きでした。

試し読み&すぐに読むにはこちら
とにかく、夢中さ、君に。

は外の雰囲気で最初敬遠しそうに

なりましたが、読んでみると

全く別印象で、無意識に作っていた

偏見の壁を1つ壊してくれた

ような気がしました。

 

コメント

ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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