人は誰が言うかに左右されるものです。
例え言ってる内容は全て正しいことを
言っていても受け入れない人が多いです。
逆に言えば、自分が好きな人、尊敬する人が
言ったのであれば、同じ言葉でもその人の
言うことの方が説得力が出ます。
そういった場合、例えばそこらへんの誰か
分からない人がサッカーのプレーに関して
発言しても誰も耳を傾けませんが、
ケイスケホンダが同じことを言ったとしたら、
明らかに人はそっちに聞く耳を持ちます。
実際にトップレベルでプレーしている
ケイスケホンダの方が説得力が備わる
からです。
そういった意味で漫画家が凄いのは、
キャラクターを通して説得力を付与
することが出来るところです。
例え自分自身がその道のプロでなくても
作品の中でキャラクターがしっかり
生きていて、そのキャラに実績や
生い立ちが備われば、人を導く、
人に希望や夢を与えることが出来ます。
実際「キャプテン翼」はサッカー人口の
増加に大きく貢献しました。
しかもそれは日本に限らず世界中です。
強豪国であるイタリアにはスペインにも
キャプテン翼に影響されてプロになった
選手がたくさんいます。
ですが、作者の高橋陽一先生は、プロの
サッカー選手ではありません。それどころか
そもそもサッカーもほとんど興味がなく、
もともと描きたかったのは野球漫画だった
そうです。しかし当時の漫画界は野球漫画が
溢れていて競合しすぎるため、当時ほとんど
なかったサッカー漫画を描くことにしたんだ
そうです。
その漫画が世界中に影響を与えているのです。
大空翼の姿勢や言葉が、実際にプレーする
選手たちに刺さっているのです。
もちろんスポーツ漫画だけでなく、
少年漫画の冒険ものや、少女漫画の恋愛からも
人々は影響を受けているのです。
私自身も漫画の中のキャラクターの言葉や、
行動の影響をたくさん受けていると思います。
ただ単に作品として面白いとか、画が上手い
だけでなく生き方にも影響を与えてる漫画家
の方々は偉大です。もちろん漫画家だけでなく
小説家や脚本家みたいに架空の話を生み出す
ことが出来る方々も同様です。
そこには勿論、作者が伝えたいメッセージが
あることも多いと思います。伝えたいことを
多くの人に伝えるというのは非常に難しい
ことですが、登場人物たちを通してそれを
乗せることが出来ればハードルは少し下がり
ます。下がりはするものの、乗せ方を間違うと
キャラが崩壊したり、説教臭いものになり、
漫画自体の質も落ちてしまいかねません。
そんなリスクをくぐり抜けているのが
漫画史に残る名作や名台詞であるし、
そうでない作品の中にも人に影響を与えた
作品は数多くあります。
近年になってようやく漫画やアニメなど
のサブカルの地位が上昇して一般化して
きましたが、もっともっと評価はされて
いっていいと思うし、そういう漫画で
育った世代へと代替わりしていけば、
より傾向は強まっていくのかなと
期待しています。
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