作品・作者に関して
神達に拾われた男は、
Roy先生によって小説家になろうサイトで
連載が開始された作品です。
その後２０１８年よりコミカライズ版が
スタートしました。
コミカライズ版を担当するのは蘭々先生
です。
色々探してみましたが、特に蘭々先生は
twitterも見当たらず、カバー折返しの
コメントもゆるゆるなので、他の作品
などは分かりませんでした。
人間関係に疲れた主人公
この作品のベースは、現世で
社畜で疲れ切ったサラリーマンが
死んでその世界に神によって
異世界に転移させられるという、
在りがちストーリーです。
もはや最近ではそのプロローグ部分は
1ページで片付けてしまう異世界作品
も増えています。
しかし、この作品の場合、その
社畜時代を丁寧に丁寧に扱っています。
それもそのはずで、神達に拾われた男は
「魔王を倒す」などの明確な使命がある
わけではないので、何をメインにしてるか
というと、苦い思い出や社会に出てからの
辛い体験で疲弊してしまった主人公である
リョウマの心の浄化と開放
だと思います。
異世界での生活がスタート直後は、普通の
作品は直後に仲間が出来たり、どこかの家の
子供として暮らしたり、すぐに街に行って
ギルド登録したりが王道です。
ですが、人間関係が嫌になったリョウマは、
人のいるところに行こうともせず、
探そうともせずに森の中で
３年間ぼっちで暮らします。
それほど重症です。
浄化と成長
そんな主人公が、１人（とスライム多数）の
生活に慣れきったある日、ある貴族との出会う
ことで、この作品の物語がようやくスタート
します。
最初は人と話してない期間が長すぎて、上手く
言葉を話せず片言になるほどですが、
この貴族の一家がとにかく超の付くほどの
聖人のようなファミリーで、彼らと接する中で
リョウマは人と打ち解けていくのです。
しかもこの一家、あとで分かるのですが、
めぐり合わせにはちゃんと理由もあります。
それから、後にプロローグには無かった
リョウマの過去も出てくるのですが、
想像以上に辛い人生を歩んでいるので
ここも彼がこの家族と深く関わっていく
ことと深いつながりを持ってくるので、
よく考えられて作られている作品だと
感じられます。
感想・まとめ
読み進んでいくごとに
引き込まれていく作品ですね。
この感想を描いている時点で、
コミックは４巻まで進んでいますが、
主人公の心の移り変わりがよく表現
出来てます。心がない人間が人に
触れて成長していく物語ではなく、
もともと心の暖かったのが、色々な
ことが重なって壊れたところから
再生していくのが面白いです。
異世界ものとしては、基本チートもの
ですが、スライムを中心としたバトル
だけでなく、トラブルの解決もしていく
シナリオは面白いですし、物語だけで
なく作画自体が可愛くて温かいから、
より作品の色を濃くしているのが強いです。
異世界作品の中でもあたたかさは
トップクラスだと思います。
異世界ものがそんなに好きでない人も、
優しい世界とか家族ものが好きな人には
楽しめる作品です。
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