[おすすめ漫画] 独特の手法に意外な作品が影響!映像研の3つのおすすめポイント「大童澄瞳 / 映像研には手を出すな! 1巻」作品紹介と感想

作品・作者に関して

タイトル:映像研には手を出すな!

掲載雑誌:月刊!スピリッツ (2016~)

作者:大童澄瞳

 

あらすじ

アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。
ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!

大童先生はこれが連載デビュー作にして、

いきなりのアニメ化作です。

先生は元々はアニメ志望で、思うように

いかずに漫画の方にシフトしたところで

スピリッツにスカウトされた経歴が

あるため、アニメ寄りの描き方をされる

ところが特徴です。

今作も随所にそれが分かる場面を

見ることが出きます。

 

アニメだけでなく実写映画化も決まっており、

漫画家ライフはロケットスタートを切ったと

言えると思います。

 

おすすめポイント

 

・アニメ的手法
・3D的手法
・ドラえもん的手法

 

アニメ的手法

 

映像研には手を出すな!は、

映像研究会に所属する女子高生3人が

中心の物語なのですが、作品の

テーマがアニメ撮影なだけでなく、

先生自身がインタビューでも

言っているのですが、

「自分は漫画的手法を知らない」

いうことで、前述したように先生自身も

もともとアニメ作りをしようとしていた

のを背景に持つこの作品はアニメ的な

描かれ方をされている箇所が非常に多い

です。

例えば漫画ではよくありがちな

↑こういう効果線は使われないです。

 

人がダッシュしてる時や、うなずいてる時の

ような動線も使われません。

あくまでアニメのセル画のような1枚画で

どの場面も表現されています。

 

 

それから主人公である浅草達は、映像化を

する前にたびたび設定を空想上で具現化した世界入りします。

飛行ポッドの画を設定と共に描き込んだら、乗る

ところをシミュレーションしたりするのですが、

この描き方が完全にアニメ感が強いです。

 

 

ディズニー作品で歌い出す時とかによく出てくる

やつです。↓こういうの

 

 

ディズニーを例に上げてる時点でそうですが、

その時の世界観は正にアニメ世界ですね。

もともとある映画作品の絵コンテを1つずつ

仕上げて、そこに吹き出しや文字を入れた作品

といっても過言ではないでしょう。

 

 

3D的手法

 

さらにアニメ的手法に加えて、漫画の

王道のやり方を知らない故の常識に

囚われない描き方がされています。

↓のシーンでは、

 

なんと吹き出しが立体化しています。

この角度で上から描いているというのも

結構珍しかったりしますが、吹き出しも

その画に合わせるというのは普通では

思いつきません。

もともとこの作品を立体世界として

意識して描いているからこそ、こういう

表現にたどりつくわけですし、

最初は慣れないかもしれませんが、

この構図はこう見るんだ、と感じながら

見るとこの形も面白いです。

 

ドラえもん的手法

 

更に目を引くのは、空想をする度に

必ずその設定図が挿入されるのですが、

これを見ていくだけで面白い。

 

 

先生のインタビューによると、これらの

アイデアは「ドラえもん百科」から着想を

得たそうです。

 

ドラえもん百科というのは、ドラえもん

連載時にその補足だったり追加の設定を

別の作者(方倉陽二先生)が描いたもので

作中に↓のような画がよく入ってくるのです。

 

 

映像研がドラえもん百科に影響を

受けているというのは中々衝撃的な

事実です。

 

余談ですが、このドラえもん百科、

ドラえもんのパロディ的要素も

強くて、原作と違ってドラえもんが

めちゃくちゃにイジられるので、

そういうドラを見たいという人は

おすすめです。

 

 

 

1巻感想・まとめ

 

率直にいって、新しい!

上で長々と説明してきた通り

今までになかった作風ですが、

理屈抜きに一度ザーッと呼んでみる

だけでも、違うなというのは分かると

思います。

というかそれだけでも十分見ごたえが

あるので、型にはまらないコマ割りや

一枚絵を眺めているだけでも楽しい作品です。

 

物語としては、映像研の活動開始からどんどん

部が問題に直面しながらも切り抜けて、発展

させていくという、文化系部活ものの王道な

進み方ですが、1つ注意点は、とにかくクセが

あるということ。

主人公は1人ではなく、ほとんど一緒に行動する

浅草と金森と水崎の3人ですが、それぞれのクセが

凄いだけでなく、会話の中身や仕方が独特で、これが

ハマらないと作品自体もなかなか入ってこないかも

しれません。

個人的にはこの3人、よく一緒になったなってくらい

あまり噛み合わない個性と趣向持ちで、全員が同じ

ゴールを目指しているから団結している

ということは全く無く、好き勝手やってるのに、

何故かハマるところが魅力だと思っています。

 

色々な人の感想を見ていると好き嫌いは分かれる

ようですが、ほとんどはこの人達の独特のノリに

ついていけるかというところです。

 

 

だから必ず試し読みはすることをおすすめします。

その上でいけそうだったら、内容も見つつ、

画の描き方にも注目してみてください。

あくまで1巻を中心に描きましたが、2巻以降で

初めて出てくる手法もたくさんあります。

 

アニメは「設定が命」の浅草みどり、カリスマ読者モでアニメーター志望の水崎ツバメ、金儲けが大好きな美脚の金森さやか。ダンジョンへ、戦場へ、宇宙へ--想像の翼を広げて、電撃3人娘が「最強の世界(映像)」を創り出す!

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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