[おすすめ漫画] 日本サッカーに足りないのは○○!FBN3つのおすすめポイント「大武ユキ / フットボールネーション」作品紹介と感想

作品・作者に関して

タイトル:フットボールネーション

掲載雑誌:ビッグコミックスペリオール (2009- )

作者:大武ユキ

代表作→サッカーボーイ (1993)

   →我らの流儀 (1996-1997)

あらすじ

サッカー雑誌の女性カメラマン・緒形は、ある時、アマチーム「東京クルセイド」の取材を命じられる。そのチームの選手応募要項は「脚のきれいな選手求む!」…ふざけたチームだと、しぶしぶ河川敷に出かけた緒形だったが、そのチームとは別に、ある才能に出会う!河川敷を根城に、草サッカーチームの助っ人をしている“ジョーカー”こと沖千尋だった。今をときめく高校現役Jリーガー、一ノ瀬迅とも浅からぬ因縁がありそうな千尋、彼の正体は一体…!?また、「東京クルセイド」監督が求める「脚のきれいな選手~」の真意とは!?

大武先生は、Jリーグ成立以前のサッカーリーグ

時代から日本のサッカーを追っている方で、

その著作も、Jリーグ誕生前の大学サッカー界を

描いたものなど、古参サッカーファンを活かした

作品も描いています。

上述の2作品には、フットボールネーションに

登場する、あるいは名前が出るキャラも数名

出ており、本作の前日譚として楽しむことも

出来ます。

 

おすすめポイント

 

・日本サッカーの弱点に切り込む
・様々な視点の分析
・アマチュアチームの大きな野望

日本サッカーの弱点に切り込む

フットボールネーションは、一応は

沖千尋を主人公とした1つのストーリーでは

あるものの、メインは現実の日本サッカーの

問題点や、海外トップクラス選手、チームと

日本との差に切り込むところです。

 

サッカーにおいて、人によっては人種の差などと

思考停止してしまう者もいますが、この作品は

ちゃんと分析もしながら、この作品なりの解決策を

提案しているところが面白いのです。

 

 

1巻では、その中で「走り方」「筋肉の使い方」に

着目して、トップ選手と一般的な日本選手とを

比較して取り上げられています。

 

 

様々な視点の分析

この作品のすごいところは、切り込む

ポイントが1ポジション、1分野に

とどまらず、多岐に渡って分析されて

いるところです。

後の巻になってくればCBやFW、GKの

問題点、更には日本の文化自体にも

海外トップ選手との差が生まれる要因が

内在しているのではないかという話も

出てきます。

もちろんこの作品に出てくる全ての提起が

100%間違いなく正しいということでは

ないと思いますが、考える要素として非常に

興味深いのは間違いありません。

 

そしてその練習方法も、意外なものも多く、

この作品のメインの東京クルセイドは、

お金もないため、お金のかかった器具や

練習法は出てこず、ほとんど私達でも

簡単に出来るものばかりなのも、面白いです。

 

 

アマチュアチームの大きな野望

最後に、注目ポイントは、メインシナリオで

ある、このチームの目標です。

東京クルセイドは、プロクラブでは無いし、

選手もほとんどはプロで芽が出なかったものや

大学選手ですから、発信力はありません。

 

彼らが目指すのは、アマチュアもプロと

戦える天皇杯であり、そこで優勝して、

日本サッカーに問題提起するという、

大きな大きな野望があるからこそ、

そこに向かっていくシナリオの部分でも

楽しめる作品になっています。

 

 

 

加えて、主人公・千尋も、過去に

色々と問題があったようで、彼の

ストーリーもまた醍醐味の1つです。

 

 

1巻感想・まとめ

サッカー漫画って多分ほぼ全部が

そうなんですけど、今ある世界を

元にして作られている作品です。

 

ですが、フットボールネーションは、

今ある日本サッカーに対して

問題提起した上で、より日本が強く

なっていくためには、こうするのが

良いという改善案まで提示している

非常に革新的な作品です。

 

主人公が世界に進出していく作品は

よくありますが、日本自体が打って出る

というのは無いので、非常に面白い

試みだと思いましたし、読んでいて

なるほどとさせられるところが沢山

あります。

 

我々よりも長く日本サッカーを見てきた

大武先生だからこそ説得力も出ますし、

一般人でもこういう分析をしていった方が

ただただ目の前の試合、代表監督を批判

するよりも凄く有意義なことだと気付かされ

ました。

 

サッカーを通して、登場人物のドラマを

楽しむのではなく、登場人物を通して、

日本サッカーについて考えるという

逆アプローチな作品ですが、これはこれで

作品として成立させられているという

ところが凄いところです。

 

サッカー雑誌の女性カメラマン・緒形は、ある時、アマチーム「東京クルセイド」の取材を命じられる。そのチームの選手応募要項は「脚のきれいな選手求む!」…ふざけたチームだと、しぶしぶ河川敷に出かけた緒形だったが、そのチームとは別に、ある才能に出会う!河川敷を根城に、草サッカーチームの助っ人をしている“ジョーカー”こと沖千尋だった。今をときめく高校現役Jリーガー、一ノ瀬迅とも浅からぬ因縁がありそうな千尋、彼の正体は一体…!?また、「東京クルセイド」監督が求める「脚のきれいな選手~」の真意とは!?

 

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りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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