作品・作者に関して
タイトル：波よ聞いてくれ
掲載雑誌：月刊アフタヌーン (2014- )
作者：沙村広明
代表作→無限の住人 (1994-2012)
→ベアゲルター (2011- )
あらすじ
舞台は北海道サッポロ。主人公の鼓田ミナレは酒場で知り合ったラジオ局員にグチまじりに失恋トークを披露する。すると翌日、録音されていたトークがラジオの生放送で流されてしまった。激高したミナレはラジオ局に突撃するも、ディレクターの口車に乗せられアドリブで自身の恋愛観を叫ぶハメに。この縁でラジオ業界から勧誘されるミナレを中心に、個性あふれる面々の人生が激しく動き出す。まさに、波よ聞いてくれ、なのだ！
沙村先生の代表作といえば、
実写映画化、アニメ化、舞台化
漫画賞受賞と、大ヒットをした
無限の住人です。
本作は無限の住人同様の久々の
月刊アフタヌーンでの連載作品で
あり、無限以来のアニメ化も果たした
作品でもあります。
2015年より3年連続で漫画賞への
ランクインも果たしています。
おすすめポイント
破天荒な女主人公
主人公である鼓田ミナレは、
札幌にあるカレー屋に勤めている
女性なのですが、彼女は色々と
ぶっ飛んでます。
まず１巻の冒頭から、いきなり
ベロンベロンに酔っ払って、同じ
店にいた他人に絡みます。
この時に絡んだ相手が、彼女の
その後の運命を決めるわけですけど、
とにかく感情の起伏が激しい。
暴れるし泣くし甘えるし落ち込む。
この作品、一応恋愛もテーマの１つ
なのですが、およそ恋愛漫画の
主人公としては異例なタイプだと
思います。
ラジオシーン
1巻ではまだ、正式なラジオシーンは
ないですが、この作品のもう１つの
メインはラジオです。
ミナレがラジオを通して喋る言葉は
とにかく言い回しや語彙力が凄いです。
スタート時点ではミナレはもちろん、
ラジオの経験はゼロですが、彼女が
話す内容や仕方を見ていくと、何故
彼女が選ばれたのか分かってきます。
それから単純にミナレとそれ以外の
キャラとの掛け合い、普段の会話も
面白いです。この漫画は片方が投げた
ボールを同等のスピードで投げ返す
文化があるかのように、片方が一方的に
話すシーンが少なくて、ちゃんと
キャッチボールをしているので、ラジオ
だけでなく、会話シーンも質が高いです。
なのでその部分も見逃せません。
お仕事
ラジオがテーマなため、ラジオ業界の
話も出てくるし、彼女以外のラジオ局
関係者が出てきて、どういう風に放送を
しているのか、どういう人達が何をして
いるのかを見ることが出来ます。
そういう意味で業界のお仕事漫画と
してのポテンシャルも高いです。
アナウンサーやパーソナリティー含め
この業界に興味ある人にも
おすすめです。
１巻感想・まとめ
最初読んだ時は何の情報も
なかったので、ジャンルすら
分かりませんでした。表紙で
マイクを持っているので音楽
なのかなとも思いましたが、
読んでみると、ラジオ漫画。
1番の驚きだったのは、やはり
言い回しや喋りの上手さです。
これもちろんミナレが上手いから
ではありますが、沙村先生が
それだけ書けるってことでも
あるので、とにかく会話が発生
するシーンで、どういう掛け合いを
するのか毎回が楽しみになっていき
ます。
1巻の段階では、キャラ同士の絡みも
もっと複雑に広がっていくので、
人間関係のドラマも魅力になっていき
ます。
ラジオ業界やラジオ放送の仕組みに
興味がある人、人同士の掛け合いを
見るのが好きな人、各業界で頑張る
女性の姿を見たい人におすすめな
作品です。
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