[ネタバレあり] 衝撃の結末の作者の真意は果たして「マンガに、編集って必要ですか? 3巻(完)」感想

坂本の過去

1巻へと戻るラストも含めて

坂本の過去は良かったですね。

あずみとはもっとガッツリ

つるんでたりしたのかと思い

きや、かなり偶然な出会い

だったのは意外でした。

でも彼女と坂本の会話の危うさ、

まともに出てくる言葉が全部

有名漫画のセリフってところも

それが今の坂本に変貌を遂げて

るのも素晴らしいことだと

思います。

 

それだけに結末が悔やまれますが。

 

編集長って必要ですか?

必要以上に入り込んでしまった

ためか、無能局長への憤りを

抑えられませんでした。

単純に佐木や坂本への感情移入

だけではなく、こんなのが漫画

業界にいたらと想像しただけで

恐ろしいです。

漫画チックな、自分自身の私利私欲

のためだけに悪事を働くキャラ、

THE悪役でない分余計にタチが

悪いです。

今回の終わり方を見ると、本当に

そういう奴によって、傑作をお蔵入り

させられた漫画家がいるのだという

強いメッセージ性を感じました。

 

ああいう下らない事で連載作品を

決める現場があるのだとしたら、

編集(局)長なんか必要ないなと

思いますし、雑誌がどんどん不要に

なっていってる現代においては、

どんどんWEBコミックなり、自分で

SNSで発信するなりした方が、

良い作品が世に出るんじゃないかと

考えてしまいました。

実際にはもっと熱心な人達が関わって

より良い作品、より読者に刺さる作品

作りに貢献していると思います。

集英社で言えば林士平さんみたいな

ジャンルを選ばずヒット作をどんどん

輩出してる現在の編集さんもいますし。

 

いずれにせよ、シビアに単行本の売上

などの数字によって打ち切り等の判断を

することはあっても、全く読んでもない

自信作を、下らないしがらみを優先して

排除するような人間のいない環境を

願いますし、そうした環境でまた新しい

傑作に出会えることを望みます。

 

あと局長がロバートダウニーJrにしか

見えませんでした。

 

たった3巻でしたが、漫画業界のあり方に

ついて考えさせられる名作だったと

思います。

 

仕事を放棄して失踪した担当編集者・坂本さんのマンガへの秘めたる思いと姿勢に触れ、2年ぶりにまた一緒に仕事をすると決めた中堅漫画家・佐木先生。2人にとって、悲願の新連載……その行方は──? マンガにとって重要なのは、ハートか、それとも数字か。業界の変革期に描き記される、等身大の漫画家物語、最終巻。

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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