作品・作者に関して
タイトル:北北西に曇と往け
掲載雑誌:ハルタ (2017- )
作者:入江亜季
代表作→群青学舎 (2006-2008)
→乱と灰色の世界 (2008-2015)
あらすじ
舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。
17歳の主人公・御山慧には3つの秘密があった。
ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。
3つ、その職業は、探偵――。
あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、愛車ジムニーを駆りながら、
胸のすくような探偵活劇が、いま始まる!
若き魔法使いの成長を描いた『乱と灰色の世界』から2年。入江亜季の最新作は極北の大地が舞台の“エブリデイ・ワンダー”!!
入江先生は、2004年のデビュー以降、
2作品の連載を経て、現在は本作と
多朗と多由良を連載中です。
前2作はいずれも、文化庁メディア
芸術祭などの賞を受賞しています。
おすすめポイント
不思議な力を持った少年、慧
主人公である御山慧は、ある
目的のためにアイスランドに
来ており、生活費を稼ぐために
探偵業をやっています。
彼には不思議な能力があります。
それは車と会話が出来ること。
とは言ってもギャグみたいに
車が普通に喋り出すのではなく、
彼だけが感覚で車との意思疎通を
出来るというものです。
アイスランドの大自然
慧は目的や探偵業のために、
アイスランドのあちこちを
周るのですが、そこで見られる
自然がとにかく雄大。画像検索
してアイスランドでひと通り
眺めるだけでも、アイスランドの
特殊性が分かると思いますが、
そういった描写が作中何度も
くるので、自然とアイスランドへ
旅行に行きたくなります。
本筋はサスペンス
作中のストーリーは、依頼を
受けての探偵業と、前述した
本来の慧の目的が本筋で、
大自然とはまた違った空気感
で本格的なミステリーと
サスペンスを楽しむことが
出来ます。
1巻感想・まとめ
おすすめポイントであげた
ように、この作品には色々な
ジャンルの要素があります。
主人公が特殊能力を持っている
というSF性、
アイスランドの大自然の中を
走り回る旅・冒険性
そして探偵など謎を解いていく
サスペンス性。
色々な要素がこの作品に詰まって
います。
しかしながらそれらを包括して
作品を良く映しているのが、この
作品の持つ、雰囲気・空気感です。
大都会が舞台だったらこういう
作品にはならなかったし、各所で
事件の匂いが漂う怪しい空気感も
なければこうならなかったし、
非常に絶妙なバランスによって
成り立っている作品なのです。
それとシリアス一辺倒に見え
がちですが掛け合いも面白いです。
あと、この作品を作りにあたっての
話を入江先生があとがきで描いて
いますが、すごく感覚的な方で、
この作品を書いた人の文章だと
とても納得出来るものなので読み
飛ばさずに是非読んでみて下さい。
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