[ネタバレあり] 劇場版スラムダンク「THE FIRST SLAM DUNK」感想 “なぜ評価が上がり続けているのか”

※原作および劇場版のネタバレを含むため、原作未読の方は

見ないようにお願いします。

感想書くのかなり遅れてしまいましたが、自分なりに色々気づく点が

あったため、書いていこうと思います。

 

まず本作、公開前から注目度がとんでもないことになっていました。

その要因は大きく4つ

 

・世界一売れたスポーツ漫画である

・長らく映像化していなかった

・インターハイ編が一度もアニメ化していない

・井上先生がガッツリ関わる

 

私自身も原作は何度も読んでいますしアニメも見ています。

ブザービーターもリアルもバカボンドもカメレオンジェイルも読んでいます。

それぐらい井上先生の作品に魅了された大勢のうちの1人です。

 

そもそも大ヒット漫画で期待されながらずーーっと具体化

されていなかった映像化なので爆発的な期待値の高まりです。

新情報が公開される度にトレンドワードに入り、特報などの

動画は再生も一気に伸びる。

そんな中で公開が近づいた時にとんでもない爆弾が投下されます。

・声優陣刷新

・どうやらリョータ主人公

・かつてのアニメ化と違ってCGアニメーション

 

前回のアニメ化のまんまのアニメ化を望んでいた人達から

猛バッシングが始まりました。

そこからは大きなポジティブな情報の無いまま公開日に。

 

初期こそマイナスな感想もあったスラムダンクですが、

徐々に流れが変わり、有名どころのレビューサイトで

5点満点中3点台前半だった評価がこの記事を書いてる

12/23現在で、どんどん上がって4点台になっています。

私は初期のまだ点が低かった時期に行ったのですが、実際

見てみると高評価低評価のいろんな理由が見えてきました。

ちなみに私は

間違いなく面白かった側でした。

 

 

評価の悪かった理由

まず1番に考えられるのは

期待したシーンが期待した形で流れなかった

そもそも無かった

結果的に映画で取り上げられたのは、

山王戦でした。

山王戦はスラムダンクでも伝説の試合で、最も多くの

名シーン、名言を生んできた試合です。

それだけに、思い入れが特に強いという人は、

そのお目当てのシーンが見られなかったことに

強い不満を持っただろうし、もっとしっかり

取り上げてほしかったと思ったはずです。

あれだけ公開前から賛否騒がれた中で

上映開始直後に行くほどのファンならなおさら。

ただ、これは後述の私が考えるこの作品の良さとも

関わってくるので、後ほど書きたいと思います。

 

次にあるのが

原作に無かった展開の追加です。

 

前述したように本作はほぼリョータ主人公目線に描かれた

作品です。原作では花道がバスケ部に入ってから

登場する、なんなら花道の初めての練習試合の陵南戦

でもまだ出て来ないキャラクターです。

 

ですが、本作では彼の幼少時代から最終的には高校

以降までをも描かれます。

この辺の描き方に関して、

「リョータはこうあるべき!」

「スラムダンクはこういう作品だ!」

と不満を持っている人が多いように感じました。

 

 

良かった理由

①試合表現

まず何を置いても、まず絶対なのは

試合の臨場感

これがとにかく素晴らしかった。

モーションキャプチャーをフルに利用した

アクションを取り入れたことで、

凄くリアルな試合が展開しました。

文字や効果線で表現できない分、リアルな試合の

動きを表現したことで山王のプレッシャーのかけ方や、

深津、沢北、河田あたりの連携と個人技の鋭さは

これ以上ないほど王者山王の強さとして表現されて

たんじゃないかと思います。

そしてここからが前述した、不満点にもかかってくる

部分なのですが、試合のライブ感を重視するために

極端なドラマ展開や、解説陣の削減がされていました。

 

まず思い出されるのは、原作でかなり印象に残る開始直後の

アリウープのシーン、ここはかなりあっさり終わります。

そしてスポーツ漫画には義務かのごとく使われる

「かつてのライバルたちによるありがたい解説」

観客席にいる、過去に対戦した選手たちが試合に補足を

入れ続けてくれる親切設計はほぼ無くなり、桜木軍団と

晴子さんがたまに喋るくらいです。

もちろん、ビッグジュンも桂剥きしてゴリを奮起させて

くれません。

これ以外にもカットされた名シーンは沢山あったし、

私自身、スラムダンクで1番好きなシーンに、

ゴリが過去を思い出し今の状況に涙し、その涙の理由に

唯一人3年間ゴリを支え続けた木暮だけが気付いている、

という何百回読んでも泣く場面があるのですが、

このシーン、あったことにはあったのですが、色々と

改変されていて形が変わっていました。

このように多分ほとんどのスラダンヲタは、

あのシーン無いんだ

ってなるシーンが1つはあるはずです。

 

ただ、私自身としてはこれらが無かったことの不満はさほど

ありません。何故なら、それによって試合の緊迫感や臨場感は

より増したと感じたからです。

 

そのシーンが見たくて映画を見に行ったわけではないのも、

不満が少なかった点かもしれません。

 

②最終局面

いやもうシビレましたね。伝説中の伝説の最後のセリフなしの攻防。

インターハイがアニメ化されるより遥かに前から、ここをアニメに

するとしたらどんな表現になるか、の論争は、小中の頃から

友達としてた記憶があります。

それが完璧に再現。

もうハイタッチまでずっと泣いてました。泣きすぎて劇場内無音な

中、嗚咽を我慢するのに必死でした。(笑)

これは今回の手法を選ばなければ出来なかったシーンだと思います。

ぶっちゃけここだけで金を取れるレベルでした

 

③リョータの物語

これも賛否ありますが、何かひとつ軸を作るなら、

リョータが1番ちょうど良かったんじゃないかと思います。

本来の主人公の花道だと、話の1つ1つにギャグ要素が多すぎて

かといってそれ抜きで語るのはもったいない男だし、花道以外で

1番みんなと絡んでて主人公できそうなのはリョータですし。

 

何より、これを制作陣が勝手にオリジナルストーリー作って、

違うことやってるならまだしも、井上先生自身が別の視点で

描きたかったとおっしゃってるので、そこに

スラムダンクのファンが文句を付けるのは野暮です。(笑)

ちゃんとひとつの物語が完結してるだけでなく、先生自身が

初めて「未来」を描いたのも大きいです。

 

こうしたポイントが徐々に表に出るようになり、更に

試合シーンを見て熱くなった芸能人やインフルエンサーが

拡散することで、各シーンに思い入れの強い人達の評価を

超えて評価する人がどんどん増えているのだと思います。

なんとなくでスラダン知ってるって人でも熱くなれる構成に

なってますしね。めちゃめちゃレベルの高いバスケの試合を

見に行って尚且つそのドラマも知ることが出来るわけですから。

 

 

今後の予想

おそらくまだ今後の展開に関しては発表されてないと

思いますが、いかんせんタイトルが

THE FIRST SLAM DUNK」

なので、続編は期待せざるを得ません。

個人的な予想としては、各メンバーの主人公物語が

描かれていくのでは無いか。ただそうなると今回で

1番の盛り上がりどころを描いたので2回目以降が

難しくなりそうなんですよね。

だからおそらく、過去の試合を描きつつ、未来の

を描いていくんじゃないかと思っています。

例えばゴリは大学バスケの話とか、流川はもちろん渡米後、

三井はリョータがキャプテンになっての高校最後の

ウィンターカップという具合に。

その中でリョータみたいに、他のメンバーの過去が

描かれると面白いと思います。意外と謎が多い桜木の

家族の話とか、何故か中学が別のゴリと晴子さんも

掘り下げ出来そうです。

それから今回は一切登場しなかった超人気な各校の

キャラたちも登場してくるんじゃないかと予想します。

 

いろんな方向で話題になり続けたスラムダンクですが、

今後も新しい展開があることを信じて、また公開されたら

速攻で見に行きたいですし、今回のも繰り返し何度も

見たいところです。

 

あと出来ればバカボンドとリアル完結してほしい・・

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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