[ネタバレ]本格化する都市同士の群像劇「原:田中芳樹 画:フクダイクミ / 七都市物語 2巻」あらすじと感想

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物語は次の舞台へ

アクイロニアとニューキャメロットの戦いは、アスヴァールの策でアクイロニアが勝利を

おさめました。

 

敵将は生き延びますが、また仕掛けてくる時のために、自身が現市長に更迭されないために

あえて泳がせておく策をとります。この辺りは戦いが終わっても今度は内政での駆け引きが

見られてる面白いです。

ここでいったん、北極海戦線編は幕を閉じます。

 

場面は一気に変わり、

プリンス・ハラルド

ブエノス・ゾンデ

という二都市の戦いが始まります。

 

この二都市を率いるのは

エゴン・ラウドルップ(ゾンデ)

カレル・シュミッツ(ハラルド)

 

という2人です。

ラウドルップはとにかく好戦的で独善的、独裁者的なキャラですね。

逆にシュミッツはどこか抜けている感じで、上の階級のものが全員集団食中毒で

リタイアしたため、急遽司令官を任されても、よく分かってない素振りを見せます。

 

海戦を繰り広げた、前巻の二都市とは違い、こちらは空対陸が繰り広げられそうです。

 

ゾンデの軍は、

地上500メートル以上を飛ぶ飛行体を撃墜する「オリンポスシステム」を逆手にとって

低空飛行できる、戦闘ヘリで主力部隊を編成してるのが面白いですね。

 

一方、資源豊富なため、ゾンデに侵攻されたハラルド軍は、

性格が見た目滲み出てる参謀をむかえます。

 

 

見た目通りの言動と性格してます。

 

 

駆け引き開始

この戦いも、迎え撃つ側と先に仕掛ける側の戦いになります。

戦力だけなら、ヘリ部隊を擁するゾンデの方が有利ですが、性悪参謀を中心に

ハラルド側も、あの手のこの手と画策します。

 

この作品の面白いのは、やっぱり今回も戦闘が始まる以前に、作戦計画の

応酬ですでに決着が付いているところで、ここでの、両軍の思惑が入り交じる中盤は

特に、盛り上がりますね。

 

両軍の作戦は思い通りに進むものの、最後にハラルド側の作戦が

炸裂したところで終わります。

 

 

まとめ

 

意外とあっさりアクイロニアのストーリーが終わりました。

あくまで七都市の物語なので、都市規模の群像劇になっているところがいいですね。

あっさり次の都市へ切り替わりましたが、彼等の戦いの行く末を見守る形で、前巻で活躍した

アスヴァールも、キャメロットのギルフォードもでてきます。

 

それぞれの発言から、各司令官の実力の比較などするのも面白いです。

 

あともうひとつ面白いポイントとしては、「内政」がよくフィーチャーされる点ですかね。

 

シュミッツに対しては、任命の経緯もあり、周りがあーだこーだと文句を言われがちで、

独善的なラウドルップに対しては、アンケルという従兄が苦言を呈していたりと、

 

どちらも内側に悩みのタネがあり、全て盤石な状態で戦を迎えられないあたりが

リアルです。

 

次でおそらく、ゾンデとハラルドの戦いが決着を見ますが、また別の都市の

クセのある司令官が登場するだろうと思うので、楽しみです。

 

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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