響~小説家になる方法~は、ビッグコミックスペリオール連載の作品で、
2017年にはマンガ大賞を受賞。
2018年9月に、欅坂46の平手友梨奈主演で、実写映画化の作品です。
あらすじと登場人物
あらすじ
とある文芸編集部の新人賞宛に送りつけられた、直筆の投稿原稿。
編集部員の花井は、応募条件を満たさず、
ゴミ箱に捨てられていたその原稿を偶然見つける。
封を開けると、これまで出会ったことのない
革新的な内容の小説であった。
作者の名は、鮎喰響。連絡先は書いていない・・・
登場人物
鮎喰響・・・この作品の主人公。「天才」という言葉が相応しい文才の持ち主。しかし
ステータスを全て文才に割り振った結果、現代に舞い降りた無頼漢の如く
他の人の思惑など関係なく、暴行、器物破損、暴言を己の信念のまま
続けるため、トラブルが絶えない。常識という言葉から最も遠くにいる存在。
花井ふみ・・・文芸雑誌「木蓮」の編集。たまたま響の作品を見つけたことで、
自分の夢を叶えるため奔走する。響に振り回され続ける一番の被害者。
涼太郎・・・響の幼馴染。イケメンで爽やかでスポーツ万能で頭脳明晰。ぶっ飛んでる響の
横で冷静に舵取りをする常識人。
と思ったら大間違い。
凛夏・・・文芸部の部長。見た目とは裏腹に、小説が大好きで頭も良く語学力、運動神経
も備えている万能人間。誰とでも仲良くなれる性格だが、
ある秘密を持っており、その事で悩みを抱えている。
花代子・・・この作品において貴重な凡人。凛夏たちに誘われて文芸部に入るが、
全員ぶっ飛んでる文芸部の中で、居場所を探し奔走中。
良い意味で騙されました!
最初は、小説家を目指す大人しい感じの女の子の話なのかなと思いながら読み始めましたが、
内容も主人公の性格も全然違った!それどころかこの主人公頭○カレてました!(笑)
だって1巻の段階で、ありがちな「部室を不良が占拠してるというシチュエーション」で、
これですよ。
ボキ
初手、指折りの主人公て。しかもこの顔。
このマンガは格闘漫画でも、主人公・響は特殊な訓練を受けた子でもありません。
とにかく自分の主張を曲げようとしない、曲げられそうになると相手が誰だろうと物理攻撃も
辞さない。
これだけ聞くと本当にただのおかしい奴ですけど、何だかんだで主張はほとんど理にかなっ
てる事が多く、対する相手も説き伏せることが出来ない状態です。それでいて文才は別次元。
なので序盤は響の言動、行動にハラハラしますが、悪い大人や不良と相対する時の響を見てい
ると今度は逆にスカッとする。力関係で普通なら泣き寝入りする場面でも、響は全力で立ち向
かいます。特に、スクープを撮ろうとする記者に対する彼女の行動と言葉は大きな見せ場の
一つです。
その辺りまで読むとどっちかといえば「響をなんとか小説家にさせる方法」の方がサブタイト
ルにしっくりくる情勢。
この話、本筋はタイトル通りの小説家になっていく過程が描かれていくんですけど、
主人公以外の登場人物も本当面白くて、ある意味まともな人が一人もいないです。
最初唯一の常識人かと思っていた涼太郎も、後にすごい本性を見せますし。
凡人だった花代子も暴走し始めます。
そんなぶっ飛んだ人達の日常なので、明らかにおかしいやり取りもこのマンガの謎の
懐の広さによって、特に問題視されないまま流されることがよくあります。
それからその変人たちの中でも特に注目してるのが、
見た目とは裏腹に、文学大好きで上の通り文芸部部長で誰とでも上手く話せて頭も良い。
作中で一番バランス感覚を持ってるのかもしれません。さらに巨乳。
響の言動も「ある程度は」受け入れるし、結構色々と大変な秘密を抱えているので、
大人げない人達の煽りもよく受けますが、頑張って受け流したりします。
でもそれが出来るせいで、響の担当編集の花井さんの次に、変人達の割を食ってます。
立場を考えると一番苦しい子なので、今後何か着地地点をあげてほしい子です。
多分、響よりもこっちの子に感情移入する人の方が多いんじゃないかと思います。
とにかくある程度動きが予想できる登場人物たちに飽きて、予測できない動きをしてかき回す
カオスな日常を見てみたい人にオススメしたいです。
静かなまったりした作品を見たいという人には全くオススメしません(笑)
かなり乱されます。
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