[ネタバレ]表紙に込められた解釈。織部らしい最期「山田芳裕/へうげもの 25巻(最終巻)」あらすじと感想

徳川政権下で、家康とは相容れぬ考え方で、どんどん立場を危うくしていく織部。

そんな中、密かな企みも成功せず。不穏な空気のまま最終巻へ・・。

織部に影響を受けた者たちの思惑と行動

謀反の疑いをかけられ、死罪へと着々と進められていく織部。

関わった人間がどんどん処分されていき、本阿弥光悦は追放処分を受け、織部十作は実質解散。

徳川体制を更に盤石化させるために、秀頼に関わったものたちの処分も加速化します。

その他、今後力を持つ可能性のある伊達も、スペインとの貿易をストップ。

旧知の仲である上田や小堀は、家康の判断が覆らなかった場合、介錯役を自薦します。

そんな中1人だけ、織部を助けるために奔走する男がいました。

徳川秀忠です。初期は心底、織部を嫌っていた男です。

そして唯一、父・家康本人に直談判できる立場にある男。

彼は先程の、伊達への釘刺しを手土産に、家康に泰平の世での織部の必要性を主張。

力で押さえつけても、いつかは爆発する。それを抑えられるのが織部であると・・。

しかし家康は全く聞く耳を持たず。察していた秀忠は館を自身の兵で囲み、強硬手段も

辞さない構え。しかし、ここで秀忠宛の手紙が。

「私に構い賜うな。清然たらん事を」

織部からの手紙でした。

その前に、織部には秀忠から自作の茶杓が送られていました。

それは昔、織部より贈られ即、へし折っていた「蟻腰の茶杓」。

彼の「数寄者」としての成長を感じた織部は、

「もはや、思い残すことものうなったわい・・」

と、すでに死を選んでいたのです。

へうげた最期

その後も、三浦按針、寧々と家康への説得を試みますが失敗。

遂に切腹の日を迎えます。

当初・秀忠の命で介錯の予定だった、柳生宗矩ではなく、乱入した小堀でもなく、

さらにそのあと乱入して小堀をぶっ飛ばした家康自身が務めることに。

ここでさらに感情的になった家康が、一族全員まとめてとりつぶすことを伝えると

織部は、自身と秀忠の意向を無視した蛮行に怒り、取っ組み合いに。

これを「数寄者の最後ではない」という一言で小堀が諌めます。

いよいよ織部最期の時、走馬灯のように信長や秀吉たちが浮かびます。

その中に勿論、師匠の利休の姿も。ところが・・

走馬灯の中の利休、まさかのグーパン。

「そうじゃねえだろ、お前の最期は」と言わんばかりのグーパンでした。

これでハッとした織部は、切腹をしながら

まさかの脱糞。

そして

家康大爆笑

最期の最期に、今まで全く笑わせることが出来なかった家康を、

誰も笑ってない、この極限の状態で、家康だけを笑わせる事が出来たのです。

その姿に満足した織部は、かつての「秀吉with日本ハウス」で見せた家康の演技を絡め、

「やっと追い付けたわ・・あじか売りの必死さに」

と一言告げ、了。

その場面では、明確に織部が死んだという描写はありませんでした。

最期にエピローグ形式で、家康、有楽斎、妻と果てていく場面のあと、

上田が織部らしき足跡をたどって、日本各地をまわり、

最期に沖縄で、織部らしい、「乙な」とある焼き物を見つけ、この話は終わります。

そして、これまで全て何かしら1色で統一されてきた表紙が、最終巻に限り2色。

作中で緑は織部、白は家康を象徴する色でした。最初で最期の巻でこの2色が混ざったのでし

た。

感想

途中までの流れと違って、織部の最期って悲惨なものだ、というのが史実を知っていての感想

だったのですが、この作品では見事にそれを覆してくれました。

当初は完全真逆にいた、秀忠が全面的に擁護にまわってくれていたことも驚きでしたが、

相容れぬ様子が、微塵もなかった織部と家康の結末。

とても素晴らしかったです。この作者は重要人物の死などの要所は、本当に面白くまとめて

くれるので、それまでのイメージが変わったり、度肝を抜かれるものばかりでした。

明智、信長、利休、秀吉、三成。みんなそれぞれのらしさと変化がよく表現されています。

織部に関しては、最期は少し濁された感じでしたが、

それも含めての数寄であり、乙であり、へうげなのだろうと思うようにします(笑)

ギャグ調が多く、清正みたいにやりすぎレベルなキャラも多く、不真面目な感じの

漫画ではありましたが、この巻のように考えさせられたり、深い内容も散りばめられて

いて、実はとても読み応えのある作品だと感じました。

最期に、帯に「実写化企画進行中!」との言葉があったので、これは楽しみにしたいです。

個人的にはシモネタ要素抜けば、十分大河にしてもいいレベルの良作だと思うので、

せめて2時間映画などではなく、ドラマとして放映して欲しいと思います。

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