[おすすめ漫画] 神がもっと身近だった時代、古代日本の純国産ファンタジー「鶴淵 けんじ/峠鬼 1巻」作品紹介と感想

作品・作者に関して

峠鬼は、ハルタで連載の作品で、

鶴淵けんじ先生は、過去には

アニメ化もされた夢喰いメリーの

スピンオフ「影踏みエリー」や、

meth・e・methの連載をされて

いました。

 

 

本作は元々、ハルタ付録の冊子

青騎士に掲載されていましたが、

同時発売した2巻以降の、3巻に

入る分からハルタにて正式に

連載がスタートしています。

 

 

舞台は古代日本

この作品は、古代の日本

舞台です。古代とは言っても

縄文土器とかの時代までは

さかのぼりません。

正式に明記はありませんが、

飛鳥時代の頃と思われます。

聖徳太子の時代よりもうちょっと

あとで大化の改新の頃です。

 

何故ある程度絞れるかといえば、

この作品の主人公・妙(みよ)

のお師匠様が役小角(えんのおづの)

だから

です。役小角は歴史上の人物で

続日本紀にも表記のある、

実在(とされている)人物です。

 

 

それから作中、主人公含む

小角の弟子2人は、後に

前鬼後鬼と呼ばれるように

なりますが、シャーマンキング

アンナの持霊として出てくる2体は

この小角に使役していたものです。

 

役小角に関しては別記事として

また書いていきますので、

興味あったらお願いします。

 

役小角とは→

 

日本の歴史作品は、古くても

平安後期とかが多いので、

この時代の作品は割と少ないです。

そして小角が呪術師であること

から、この作品で中心的に出て

くるのは、日本の神様たち。

これがひとつの魅力でなかなか

個性的なビジュアルをしていて、

尚且性格もクセが凄い。

 

 

先生曰く「本物出すのは色々と大変・・」

とのことで、実在の神様(?)の登場は

限られますが、風習や習慣はその時代

のものが描かれています。

 

 

キャラとストーリー構成

この作品の中心人物は3人、

呪術師の役小角に、その弟子の

です。

特に弟子の2人は未熟な部分が

ある分、これからの可能性を

すごく感じます。

妙は、結構悲惨な境遇なのですが、

そういうキャラにありがちな、大人しく

感情表現も苦手という感じが全くなく

基本的に明るく、師匠達だけでなく

神様たちにも遠慮がないです。

 

 

そういう子が、合間に見せる弱さが

より際立ちますね。

 

そして善。彼も辛い過去(というより

現在進行系)のものを持っていますが、

ツンデレなくせに仲間思いで、徐々に

態度も軟化していく王道ツンデレな

ので、特に女の子にはたまらんキャラ

だと思います。

 

そしてこの作品で一番驚かされるのは、

神様の”神器”の効力を巧みに利用した

シナリオです。神秘的な”倭国”な雰囲気

を残しながらファンタジー要素の詰まった

展開にしつつ、時には時間軸も超えて

ストーリーが進みます。特に導入の第1話は

一件落着後のラストシーンの仕掛けが最高です。

 

 

感想・まとめ

純国産ファンタジーここにあり

って感じがしますね。

日本が舞台で日本の神々が

出てきて、日本らしい世界観で

ファンタジーが展開される。

大抵のこの手の作品って、

現在に古代のものが出てきたり

古代だけどロボットが出てきたり

舞台設定を完遂していないものが

多いと思いますが、この作品は

それが守られています。

蟲師のように各地をまわって

その土地の神と出会って

トラブルを解決したりしていくので

エピソードのまとめ方も非常に

綺麗です。

ネタバレになるので詳細は控えますが、

あの地点に到達するまでの”間”を

楽しむストーリーでもあるので、

善と妙の成長を楽しみながら、

今より神の存在が身近にあった

時代を味わえる作品です。

 

試し読み&すぐに読む

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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