作品・作者に関して
タイトル：憂国のモリアーティ
掲載雑誌：ジャンプスクエア (2016- )
作者：三好 輝 (みよし ひかる)
代表作→アルティメットドールズ (2009-2011)
→監視官 常守朱 (2012-2014)
あらすじ
時は19世紀末、大英帝国最盛期のロンドン──。
この国に根付く階級制度に辟易するモリアーティ伯爵家長子・アルバート。孤児院から引き取ったある兄弟との出会いによって、世界を浄化するための壮大な計画が動き出す。名探偵シャーロック・ホームズの宿敵、モリアーティ教授の語られざる物語の幕が開く──!!
三好先生は、アルティメットドールズで
まず６年半ぶりの準グランプリを獲得、
連載デビューをし、その次にアニメの
コミカライズ作品でもこれをヒットさせ、
本作連載３作目もヒットしているので、
漫画家として非常に順調なキャリアを
積み重ねている方です。
特にモリアーティは大ヒットで、既に
舞台・ミュージカルも決まり、
2020年内のアニメ化も決定しています。
おすすめポイント
推理小説界一のダークヒーロー
まずこの作品の主人公でもある、
ジェームズ・モリアーティは、
世界で一番有名な探偵小説である
シャーロック・ホームズに登場する
ホームズの宿敵です。
ホームズシリーズにおけるモリアーティは、
ロンドンの犯罪の半分以上に関わっている
とされるほど、裏社会を影で操る存在で、
本作においても、主人公のウィリアムは、
犯罪相談役として存在しています。
しかし、彼はあくまで手段を選ばずに
イギリスの平和を目指す立場であり、
決して純粋悪ではありません。そういう
意味では「ダークヒーロー」らしい
ダークヒーローではないかと思います。
彼らの出生や、犯罪に関わっていく事に
決めた経緯も、アメコミのそれと遜色
ないです。
イケメンオールスター
モリアーティ兄弟を筆頭に、
彼らをサポートする仲間たちは
揃いも揃ってイケメン揃いです。
しかもまぁ性格も、そういう恋愛アプリ
ゲームかのように、絶妙にキャラ分けが
されていて、取りこぼしがない布陣です。
アニメ化で間違いなく跳ねると予想
しています。
枯れ専までカバーしてる人気漫画は、
これくらいじゃないでしょうか。
全員良いキャラしてる上にそれぞれが特殊な
技能を持っているので、特に自分達で
動いて工作をしたり、警察や悪質な犯罪者に
仕掛ける場面の巧妙さ、鮮やかさは、豪華な
スパイものや怪盗ものを見ているようです。
ちなみに私はウィリアムが一番良いと思います。
あの男との熱い駆引き
そして当然、作品で盛り上がっていくのは、
本来の原作の主人公であるホームズが
登場してからです。彼が出てくるまでは、
ほとんどモリアーティにまともに立ち向か
える相手はいませんが、彼が初めて登場
する敵です。
つまりそこまでは、モリアーティが地位を
確立していく過程、彼らの鮮やかな台頭劇、
ホームズが登場してからは、より高度な
駆け引きが展開されていくように
なっていきます。
ちなみにホームズと助手のワトソンもまた
魅力的な登場人物です。
ホームズ登場後は、両者サイドが描かれ、
敵対する相手が準主人公的な立場になる
という熱い構成になっていきます。
１巻感想・まとめ
シャーロック・ホームズでは、一切
描かれていないモリアーティの幼少期が
1巻では見ることが出来ますが、
これがなかなか衝撃的です。ホームズと
やりあえる程の化け物として、説得力の
ある恐ろしい過去です。
そして話は作品本編の時代に飛ぶのですが、
警察や法律ではどうにも出来ない類の
悪事を、モリアーティ達が容赦のない方法で
裁いていく様はなかなかに爽快です。
それから当然、本来のモリアーティ教授と
同じ運命を辿ることが予想されるため、
1話冒頭に彼の最期のシーンがあるという
のも面白いです。どういう経緯で彼が
ああいう最期を迎えるのか、非常に楽しみな
ところです。
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