[ネタバレあり] 居場所が見つかる13巻、レゴシと周りの関係が面白すぎる「BEASTARS ビースターズ 13巻」感想

 新しい出会い

学校を辞めて新生活をスタート

させたレゴシ。

今回はレゴシを中心に、色んな

人物との色んな関係性が

クローズアップされました。

主には

レゴシとおじいちゃんゴーシャ

レゴシと海洋世界のサグワン

レゴシと肉食社会を生きてきた草食セブン

ゴーシャとヤフヤ

レゴシとルイ

レゴシとコーポ伏獣の皆さん

 

まず再会した爺ちゃんとは、お互いに

見せたことのない面を見せ合いました。

 

主に戦闘力ですが

 

ゴーシャはレゴシが生まれる前の姿を、

レゴシはおじいちゃんと会わなくなって

以降の姿を初めて目の当たりに。

血は争えないとはこの事で、

唯一の違いは、ゴーシャは異種族(妻)

のために弱くなりましたが、レゴシは

異種族(ハルちゃん)のために強くなった

ところでしょうか。

 

次は初登場のサグワン。

このパートで今までほとんど

出てこなかった海洋生物

この世界での生態が明らかになりました。

 

陸上生物は、鳥類含めて擬人化されてますが、

魚類はほぼそのまんま。

言葉も全然違うみたいです。

ファインディィング・○モの世界とは

だいぶ違いますね。

 

そんな魚類へ、アルバイトでの料理の

配達で言葉が通じず狼狽するレゴシを

救ったのが海洋語も話せる

ゴマフアザラシのサグワン

この人がとにかくこの巻でいい味出します。

 

 

 多様性

サグワンは、実はレゴシのアパートの住人で、

セブン以降で2番目のアパート住人登場です。

 

彼はレゴシに海洋生物の死生観やあり方を教え、

レゴシはそれに驚きます。

 

今までの自分のとは全く違う価値観を持った

サグワンとの出会いが、今後のレゴシに影響を

与えそうなことは想像に難くないです。

 

色々サグワンについて言葉で表現しようとするも

最終的には

 

「このおじさん・・

 なんか好きだ」

 

って言葉に落ち着くレゴシが良いですね。

 

そして羊のセブンとの関係も、レゴシが

良かれと思ってしたことが逆に、

プライドの高いセブンの怒りを呼び、そ

の怒りがよく分かってないレゴシは

クソ真面目に謝るという

2人の特徴が上手く引き出されてる

場面。個人的には意外と

バランスの良い姉弟感

があって好きですが、彼女といるところを

ハルちゃんに目撃させてる辺り、

ドロドロした展開になっていくのでしょうか。

 

更に今回はレゴシとルイの場面も。

ルイに、自分の本当の目的を告白

する場面ですが、ルイは当然の

ようによく理解していて、レゴシに

助言と背中押しをしてくれます。

彼も友人というより、やっぱり

頼れる兄貴感があります。

 

あと直前の、麻薬の売人を

成敗する場面で、レゴシに

イメージの中のルイが語りかける

シーンがありましたが、

見開きで死ぬほどかっこいい!

そのうち名言集とか名シーン集を

作りたくなった場面でした。

 

それから最後には、12巻では

まだ、セブン以外は何が

住んでるのかもわからなかった

コーポ伏獣の住人たちが

登場しました。しかしこれが曲者ぞろい!

 

ネズミのヒモやってる

オオワシとか

カレンダーグラビア

やってるシバイヌ♂とか

ウサギのふりして

小説家やってるクマとか

 

この人達追ってるだけでも

まるまる2つ3つのエピソード

書けそうな面白い人ばっかり。

 

食肉経験があることで、周りとの

距離感に悩んでいたレゴシも

このインパクト集団の中では

いい意味で普通。一人暮らしをはじめて、

今回で自分がしたいことも

居場所も見つかり、いよいよこれから

レゴシが本格的に行動に移っていきそうです。

 

 

 まとめ

今回、全体のストーリーではなく、

巻ごとに評価するとしたら、

 

一番好きな巻かもしれません

 

前述した通り、今回だけで色々な

人物との関係や出会いがクローズアップ

されました。

どれも浅いものではなく、

それぞれの本質がぶつかり合う

もので、ちゃんと向き合って

話をすることで相手が何を

考えているのか分かった上で、

違いが表現されています。

レゴシとセブンは特にそう

ですよね。前の巻でセブンの

会社での状況が取り上げられて

いましたが、レゴシは勿論

それを知らないし、正しいと

思うことをしただけ。でも

怒ったセブンをレゴシは

追いかけて話をするのを

諦めなかったことで、

理解が深まり、2人は

いい関係に戻っています。

 

最初は草食と肉食の二元論のみ

だった関係性がどんどん膨らんでいって、

ここまで多様性を持った

作品になってるのは驚きだし、

板垣先生は本当に凄いなと思います。

 

話を本編に戻すと、ヤフヤを中心に、

BEASTARS」というタイトル通りの

シナリオは進んでいるようで、ゴーシャ

との再会を経て、今回の最後で

いよいよレゴシとヤフヤが

繋がるきっかけが生まれました。

すでにヤフヤに似た活動を

始めているレゴシが、どういった

形で、「BEASTAR」と関わって

いくのか。学園を出て、社会を知る

大人たちと関わりが増えていく中で

確実にレゴシの視野は広がっていく

ので、どこに向かっていくのか

更に楽しみになってきました。

 

 

肉食獣と草食獣が共存する世界。そこには、希望も恋も不安もいっぱいあるんだ。チェリートン学園の演劇部員レゴシは、狼なのにとっても繊細。そんな彼が多くの動物たちと青春していく動物群像劇!!

 

 

←12巻感想へ

14巻感想へ→

 

感想一覧へ

コメント

ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

りかるどをフォローする