守るために前に出る
一番の山場を乗り越えた自候生達。最後の戦闘訓練に入りますが、最後の最後という
こともあって、冷静さを失ってしまい、正しい判断ができない状態。
しかし、これを正してくれたのは、これまで何度も鬼のように接してきた新海班長。
彼はここであえて何も語らず、行動だけを見せて自候生達に委ねます。
これまで自分が教えてきたことで、全て突破できると。
その言葉に応えるように3班は、声を掛け合い、何をすべきかを
話し合いながら打開策を探します。
そんな膠着した状況で解決策を見たのは甲斐。一時は自衛隊員になることすら
諦めかけていた甲斐が、前に出ます。
一人でも多くの命を守るための前進
甲斐がそう判断して前に出たとき、かつての父の姿がフラッシュバック。
父ちゃんもあの時こんな気持ちだったの?
この瞬間、甲斐はトラウマを克服。自分のせいで死んだと思っていた
父親は、今の自分と同じ気持ちで、守るために前に出たのだと理解。
迷いのなくなった甲斐に、他の自候生も続き、
これまでの苦難を思い出しながら、最後まで気を抜かず
3班、無事頂上に到達。
最終過程が完了しました。
感想
途中に自分の感想なんか挟む余裕もなく、一気に止まらず読めましたね。
ここ数巻での甲斐の心の激しい揺れ動きも、この最終過程のためにあったようなもので、
トラウマによって曇っていた心が一気に晴れていく描写も感動的でした。
最終過程のあとも、これまで読んできた中で、積み重ねてきた自衛隊のイメージに
違うことなく、特に修了式前日の
清掃終わって全員集まる
↓
区隊長が、顔が緩んでるとイチャモンのような指摘をする
↓
罰の腕立て伏せを命じられるが、これには何故か上官含む訓練に関わった全員が参加
↓
「これがこの場所でこの仲間とする最後の連帯行動だぞ!」
の流れ、グッときました。こういう、直接的に優しさを出さないけど、
行動で表現するのは嫌いじゃないです。
訓練期間がすべて終わり、全員それぞれ別の配属先に立ち、その後のやりたい事も
違うので、なかなか一堂に会することもないであろう、訓練生編が終わりました。
まさか全員が突破するとは思いませんでしたね。特に広瀬ちゃんパートの頃は、
100%脱落すると思っていました(笑)
これで連載自体も終了してしまうのかなと思っていたら、ちゃんと甲斐のその後が
スタートすると知って驚きました。
本格的に自衛隊員として始まる甲斐の物語は、予告を見ると、救出活動などがメインの
海猿のような話になっていくでしょうか。
一気に作品の色は変わっていくと思いますが、成長した甲斐がどう描かれていくか、凄く
楽しみです。
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