よく考えたらSFホラー
今回取り上げたのは「人間製造機」
タイトルだけ聞くと恐ろしいですが、
中身も何気に怖いです。
導入はいつものパターンで、のび太が
スネ夫達に混ぜてもらえずにドラえもんに
頼むパターンです。
プラモ作りだったので、多分作るものを
ねだったのだと思いますが、ドラえもんは
いきなり真顔でいいことを言い始めます。
ドラえもんの名言はいつも突然来ます。
そしてあからさまな前フリをしておいて
のび太のいたずら心をくすぐることも
忘れません。
そこに置いてあったのが人間製造機。
説明書から狂気を感じます。
材料を揃えて混ぜれば人間が出来る
言うなればどこかの錬金術師兄弟が
挑んだ禁忌の"人体錬成"ですよね。
そして人間製造に必要な材料がこちら
材料はほとんどのび太の身近にあるもので
配分がリアルにそれっぽいのがこわいですね。
工作感覚で意気揚々としているのび太、
しずちゃんに助けを求めます。
しかしとんでもない誘い方をしたため
ボコボコにされて追い返されます。
8巻を初めて読んだとき、まだ小学校の
低学年だった自分は、単純に人間を作る
なんてありえなさすぎる冗談だと思って
怒っていると考えてたんですが、
後々に読み返して理解したシーンでした。
でものび太は「女の子って」とか言ってて
お前本当は分かってるんじゃないか疑惑
が持ち上がるところですが真相は闇です。
結局1人で材料を集めきったのび太は、
早速機械のスイッチをONしますが、
ドラえもんが合流して機械の説明に。
とんでもないって
レベルじゃないぞ
国連軍が出動て。
製造メーカーは一度もテストを
しなかったのか。こんな欠陥が
なくてもトンデモない道具を
簡単に市場にだしてしまった未来は
大丈夫なのか、といらない心配を
してしまいますが、時すでに遅し。
機械を壊そうとしたドラえもんを
返り討ちにした後、赤ちゃんの要求は
カワイイ
おそろしい見た目に合わず、普通に
赤ちゃんらしいところを見せます。
ところが、のび太家に
ボコボコにしたのを謝りに来た
しずちゃんを電気死刑にしようと
するという、急にまた物騒に
なったところで、ドラえもんが
時間を作る前に戻して一件落着。
国連軍が出動する事態にならずに
のび太が2回しずちゃんにボコら
れるだけで無事に解決しました。
まとめ
後半はかなり緊迫していたのですが、
その最中なのに、すっとぼけた顔して
またしずちゃんを無自覚に煽る
のび太の緊張感のなさが印象的でした。
でもやっぱり、人間を作ろうとして
ミュータントが生まれて暴れ出すという
話自体は、SFホラーでもありそうな
結構本格的なシナリオだったと思います。
ただ、この話の何が一番こわいって、
送り返すことにはなりましたが、
ドラえもんがこの道具を買ったこと
ですね。
8巻は他にも、のび太のパパが
進化退化放射線源で異様な姿の
未来人に進化させられたり、
同じくパパが出てきて、メタい
発言をしたりと印象的なコマが
多い巻です。
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