[ネタバレあり] 笑いあり涙ありバトルあり!それぞれのストーリーが進行中「BEASTARS ビースターズ 16巻」感想

あらすじ

前回からの続きで、レゴシの母の回想。

レゴシが物心つく頃には彼女の体の

爬虫類化は大きく進行しており、2人の

やり取りはドア越しに限られていました。

レゴシの体には自身同様の変化がないことを

見届けた母は、最期の夜に寝てるレゴシと

少しの間だけ一緒に寝て自殺。

 

レゴシは実はこの事は知っていて、息子に

体を見られて悲しむ母を見たくないため

寝たフリをしていたことを告げ、それ自体も

起きれば母の自殺は止められたかもしれない

と後悔を口にします。

母はそれに対して、あなたはどんなオオカミ

よりも強く優しくなれると告げ、生き続けて

ほしいと話します。

 

一方ゴーシャは孫を危ない仕事に巻き込んだ

ヤフヤと一触即発になりますが、レゴシが

病院を抜け出したため停戦。

満月の夜にだけ開かれるディープナイトから

戻ったレゴシは自分からメロン捕獲を志願。

ヤフヤ自身も彼を巻き込んだことへの後悔も

あることから正式には拒否しますが、レゴシの

独自捜索に期待をかけます。

 

ここから一転してラブコメパートに。

キスされて以来、なぁなぁで月に数度ジュノ

会っていたルイですが、彼女の肉食グイグイ

猛攻に心揺れながらも、婚約者を理由に

あしらいます。

その夜1年ぶりに婚約者のアズキに会った

ルイは、どうやら相手の方が上手のようで

ホテルの部屋への誘いを受けます。

 

誘いに乗ったかは定かでないまま、場面は

再びジュノへ。なんとジュノはレゴシにルイ

とのことを相談しに家に押しかけていました。

演劇部でのその後のことを何も知らなかった

レゴシは話を聞いて完全フリーズ。

共に草食の相手を目指す者同士、意気投合。

世間の風や自身の肉食の本能に苦しみながらも

決意を新たにします。

 

話はここでメロンの日常パートへ。

肉食でも草食でもなく他の動物が味わっている

喜びや味覚を味わえないメロンは、自身の体を

傷つけることでのみ生きている実感を覚えるため

ナマケモノの彫師に長時間かけてタトゥーを

彫らせていました。

彼の匂いをかぎつけてレゴシモその店に行き、

メロンの手がかりを探りますが、すべてが

メロンの策略であったため、シシ組に捕まり

絶対絶命。海に沈められたところを、サグワン

教えてもらった海洋語を使いサメに助けられます。

そのまま、もともとルイの友達を沈めることに

後ろ向きだったシシ組から、メロン打倒の方策と

して、コピ・ルアクと呼ばれる純血至上主義の

団体の存在を聞きます。

 

その頃、ゴーシャは自身がいつも面倒を見ている

託児所が、ちょうどそのコピ・ルアクに襲われ、

ゴーシャ1人で大勢と対峙したところで終了。

 

 

感想

 

あらすじは出来るだけ短くまとめる

ようにしていきたかったのですが、

最初から長くなってしまいました。

それくらい今回も濃い内容です。

 

まずはレゴシ。15巻までだと母親だけの

秘密だったと思われていたことが、実は

ほとんどレゴシは理解していたこと、

そして自殺前夜の彼の優しさが泣けました。

 

起きていて、後ろからずっと部屋に引き

こもっていた母が来てくれたら普通、

飛びつくものですが、それをすると

彼女が傷つくと思ってしなかった、更に

時代を経てその母を想った選択自体、

彼女のためでなかったと後悔をする。

幼少期から今も変わらず優しさの塊です。

 

サグワンと仲良くなったことが、自分の

命を救う結果になったわけですが、

彼の助けになりたいと思うほど、サグワンが

レゴシに感謝を述べているシーンもまた

強く優しく育ったレゴシだからですよね。

 

ジュノは、久々に大立ち回りでした。

レゴシに夢中だったのはもう過去の話、

ルイとの新しい関係は面白いです。レゴシ

の時はずっと勢いに押されっぱなしだった

けど、ルイはあしらおうとしたり、何とか

主導権を握ろうとしていて、でもそれ以上に

ジュノがぐいぐいきてたじろぐという流れ。

 

そしてレゴシに対しては前みたいに乙女な

接し方はせずに、結構雑な扱いをしていて

この作品の中でも1番生き生きと動き

回ってる気がします。

あとレゴシとの会話中、やたら少女漫画の

ギャグよりラブコメな描写が出てきましたが

今までにあまりなかった表現ですね。

急に崖の上で「師匠!」とか言ってるの

可愛かったです。

 

そんなラブコメやってるジュノとは真逆に

メロンはサイコサスペンスやってて、タトゥー

のシーンは、作中屈指のグロシーンだった

んじゃないでしょうか。アニメ化出来る気が

しません。いまのところ全く底を見せて

いないので今後人間らしい部分が少しずつ

出てくることになると思いますが、かなり

手強そうです。

 

あとはゴーシャが心配ですね。まだレゴシが

これから接触しようという組織と真っ先に

敵対して尚且多勢に無勢すぎて彼が心配です。

初見は可愛らしい姿で出てきたジャコウネコは

多分見た目と真逆のサイコパスでしょうし。

でも最初の響きからしたら、もっと大規模な

多種多様な組織かと思ったのに、コウモリと

ジャコウネコだけの組織なんですかね?

そこはちょっと気になりました。

 

今回はレゴシルイジュノの主要キャラを

中心に、サスペンス、ラブコメ、ヒューマン

ドラマと色んな種類のストーリーが1巻の間に

描かれていました。これだけの多ジャンルを

詰め込めるのはBEASTARSの魅力ですし、

他に誰もやってない強みだと思いました。

 

次巻はコピ・ルアクとの接触から、メロンに

迫っていく流れになるでしょうか。今回全く

出なかったハルちゃんも多分そのうちメロンに

目をつけられて巻き込まれ出すと思います。

 

ルイとアズキ、ジュノとの関係含めて今後の

流れが楽しみです。

 

肉食獣と草食獣が共存する世界。そこには、希望も恋も不安もいっぱいあるんだ。チェリートン学園の演劇部員レゴシは、狼なのにとっても繊細。そんな彼が多くの動物たちと青春していく動物群像劇!!

 

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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