[おすすめ漫画] 才能なくても美術に飛び込める!「山口つばさ / ブルーピリオド」私が薦める3つのポイントと感想

作品・作者に関して

タイトル:ブルーピリオド

掲載雑誌:月刊アフタヌーン (2017- )

作者:山口つばさ

代表作→彼女と彼女の猫 (2016)

あらすじ

成績優秀かつスクールカースト上位の充実した毎日を送りつつ、どこか空虚な焦燥感を感じて生きる高校生・矢口八虎(やぐち やとら)は、ある日、一枚の絵に心奪われる。その衝撃は八虎を駆り立て、美しくも厳しい美術の世界へ身を投じていく。美術のノウハウうんちく満載、美大を目指して青春を燃やすスポ根受験物語、八虎と仲間たちは「好きなこと」を支えに未来を目指す!

山口先生は、本作が長期連載としては

初の作品で、これまでもアフタヌーンを

中心に連載や読切を描いてきています。

 

ブルーピリオドは、これまで漫画の

賞レースで何度もノミネート受賞され

ながら大賞を逃してきましたが、

2020に遂にマンガ大賞2020を受賞

しました。

 

おすすめポイント

・美術の世界!
・才能なし主人公が芸術に挑む
・キャラの個性がすごい

 

美術の世界!

作品のテーマは美術!

美大への入学を目指して、美術を

学んでいく青年矢口八虎

主人公です。

不良グループにも関わらず何でも

こなしちゃう八虎が、実は影で相応の

努力をしていただけで、何の才能も

なく、何か満たされない日々を過ご

していたところ美術と出会って、

彼の世界が大きく変わっていく物語

なのです。

その中で美大をどういう人達が

目指していて、どういう勉強をして

いるのかが分かる作品であり、美術

とはどういうものなのかを知ること

も出来る作品でもあります。

 

 

 

 

才能なし主人公が芸術に挑む

 

八虎はなんと、美術の才能はありません

最も努力や工夫でカバーしづらい分野と

思われる芸術分野においては致命的とも

思える事実です。

 

センスが問われるジャンルでありながら、

ブルーピリオドでは、熱血部活漫画

ように、努力と執念で難題に立ち向かっ

ていくのが面白いです。

彼は凡人である自分と才能ある周りとの

差に何度も心が折れそうになりながらも

それを上回る量頑張る姿が、読者を熱く

させていきます。

 

キャラの個性がすごい

 

八虎の部活仲間やライバルたちは、

美術家を志しているだけあって、

かなりの個性派揃い。そこは私達

読者の期待や想像を裏切りません。

でありながら、実は結構人並な悩みも

抱えていたりして、遠い存在に思える

芸術家たちが少しだけ身近に感じら

れる気持ちになります。

 

逆に普通そうに見えて絵を描きだすと

人が変わるという、本当にいそうな

人達もいるなど、八虎を取り巻く

人達は魅力づくしです。

 

 

1巻感想・まとめ

それまで全然興味なかった分野に

偶然に出会って興味を持って、

のめり込んでいくパターンは、

部活ものや趣味系の作品では定石

ですが、ブルーピリオドほどそれを

魅力的に描けている作品は無い

本気で思います。

それほどに八虎が"絵"にハマっていく

過程がリアルで面白いです。

何度も書いてますが、彼には絵の才能は

ありませんそれでも短期間のうちに、

藝大を目指すと決めるほどハマっていく

心の変化が丁寧に丁寧に描かれています。

そういう意味で、八虎と同じように、

絵の才能なんてない私を始めとする読者に

とって彼は、一緒に美術の世界に入り込ん

で代理者の役割も担っています。

彼が絵の勉強を始めて、絵を描く人達に

出会っていく中で感じる事は等身大で、

私達の感覚と変わりません。

 

だからこそ美術という、なかなか遠く

感じる世界に、ほかの作品以上に感情

移入して読むことが出来るんだと思い

ます。

 

以上のことを1巻を読んだだけで感じる

ことが出来るほど、1巻の完成度は

高いです。

 

この作品を読むのに美術の予備知識や

美術への興味は必要ありません。

 

漫画を読んで熱いものを感じたい、

熱くなれるものを見つけたい、

という人におすすめな作品です。

 

 

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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