[ネタバレあり] エスペリオンが目指したのはあの名将の理論!「アオアシ 18巻」あらすじと感想

 

あらすじ

 

ユースを辞めるつもりの中村平に

もう一度サッカーの魅力に気付いて

もらおうということでのぞんだ船橋戦。

 

序盤は相手の怪物2トップの一角、二原に

翻弄される青井ですが、マンツーディフェンス

に切り替えるタイミングで、阿久津からの

ツンデレアドバイスをもらって切り替えます。

アドバイスの内容は言ってみれば、完全に1人で

対応するのではなくて、味方の守備範囲に誘導して

2人で追い込むという戦い方です。

フィジカルで圧倒的に劣る青井が二原相手に

ぶち抜かれる事がなくなった途端、エスペリオンに

スイッチが入ります。

前巻からずっと言っていた"あの形"です。

 

端的に言えば、彼らが実現しようとして

いたのは5レーン理論です。

海外サッカー好きなら、誰でも知ってる

グァルディオラがバイエルンで実証させた

理論です。

 

 

ただ世界のトップクラスの指導者がやっている

ような理論なので、当然選手たちは未完成。

特にジュニアから福田監督の元でやっている

メンバーは5年かけても完成にいたらない

ほど難解なものです。

 

実際。5レーンの産みの親である

リージョ監督が率いた神戸ですら完成させら

れてないものです。逆に札幌はかなりの質で

やれているので、近年躍進しています。

 

 

しかしこの試合で、5レーンアタックは成功し

エスペリオンが先制します。初めての成功に

湧く選手たちですが、相手監督は2回見ただけで

「ファイブレーンだ!」と気付く知将っぷり。

すぐにセオリーの5バックで対処します。

 

急転直下、手詰まりの雰囲気が漂いますが、それを

打開したのは青井。彼が攻撃に加わったことで、

また攻めのポイントが増えます。

ところが上手くいきすぎ楽しすぎで青井がハイに

なり、「攻守コンプリートの布石、この前半で

つかめるぞ確実に!」と、

あからさまなフラグを建立

その通りに、青井は意識が前がかりになりすぎて

クロスを撃てばいい場面で直接ミドルを放ち、

そのボールはカウンターの餌食に。

 

このカウンターはギリギリで防ぎますが、相手は

自信を取り戻し、逆にエスペリオン側は5レーンの

リスクの高さにビビります。

 

なんとか前半は終わり、選手も気持ちを切り替えて

準備万端で後半に備えますが、

福田監督は、前掛かりすぎる青井に不安を感じながらも

何かを掴みそうな姿に、注意をしないまま

「後半がどうなるか想像もつかなくなった」

と、職務放棄気味な言葉を残してこの巻は終わりました。

 

 

感想

 

青井がサイドバックをやってる意味が

更に深まりましたね。バイエルンの

5レーンの時のキーマンの1人が

サイドバックのラームでしたから、

福田監督は青井をかなり高く買って

いることが伺えます。

 

グァルディオラのポジショナルを

ユースで実現という、ありえないような

ことをやってのけていますが、

トップチームであれば、結果も出しながら、

長期でなかなか指導が出来ませんが、ユース

という育成年代であれば長期間教え続ける

ことが出来るので、全くの絵空事では無い

ですね。

ただ、それを見てすぐに理解する相手監督は

化け物だと思います。なんで高校の監督

なんてやってるんだレベルです。

 

それにしてもポジショナルサッカーは

最近の本格派サッカー漫画の潮流かもしれ

ないですね。同じようなサッカーを

TIEMPOという漫画でも、今実践して

います。

 

今のところ比較的うまくいっていますが、

やはり前巻で感じた不安感がまだ拭われて

いないので、覚醒しすぎて危ない青井の

今後の心配も含めて、まだ試合の結末は

分からないです。

 

スコア的に良い展開にしながらも、焦らす

描き方は上手かったなと思います。

あと5レーンの理論の説明はかなり

分かりやすかったと思います。色んなサイト

などのものより噛み砕いて描かれているので、

より理解出来たような気はします。

 

 

今後の展開

 

おそらく失点するでしょう。

前回大量得点にこだわりすぎていた

ことが、前掛かりになりすぎる展開を

生んで下手したら複数失点。

青井たちも、相手のカウンターを直後は

かなり警戒していたものの、若干代表FWを

舐めすぎでは?という印象を受けます。

それにまだトリボネも真価を発揮しきった

とは思えないので、大量点は難しそうです。

 

青井も試合前のあのイッちゃってる感じだと

挫折を味わうかと思っていましたが、

福田監督が可能性に賭けだしたので、まだ

この試合で見せてないものを見せそうな

雰囲気です。

 

愛媛に暮らす中学三年生・青井葦人(あおいアシト)。粗削りながら、強烈なサッカーの才能を秘めているアシトだったが、まっすぐすぎる性格が災いして、大きな挫折を経験することに―――そんなアシトの前に、東京にある強豪Jクラブ「東京シティ・エスペリオン」のユースチーム監督・福田達也(ふくだたつや)が現れる。アシトの無限の可能性を見抜いた福田は、東京で開催される自チームのセレクションを受けるよう勧めて!?将来、日本のサッカーに革命を起こすことになる少年の運命は、ここから急速に回り始める!!

 

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ブログ主
りかるど

ブラジルのサンパウロ生まれ。5歳で日本へ。
小中高大卒業後、書籍業界へ就職。現在はフリーでブログ運営などネット中心に活動中。趣味は漫画、スポーツ観戦、音楽ライブ、お笑い等。

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